食用菊
婆さんの畑に食用の菊が咲いた。美味しいものではないが、目に楽しい。
12月で89才になる婆さんは、耕運機で畑を耕し、草1本生えるのを許さないくらいの美しい畑だ。
わたしは、それを食す係である。
なめたけと春菊を混ぜて、さっと茹でた菊を上にのせて盃に入れてみた。
いわしのフライをするつもりだったが、和風に替えて塩焼きにした。具だくさんの味噌汁。加賀レンコン。
マーボ豆腐風炒め物。食用菊と春菊の酢の物。イワシの横に、母からもらった「すこ」を添えた。
すことは、里芋の茎を砂糖と酢で作る。わたしは、作ったことがない。八頭の茎を使い、甘過ぎず酸っぱ過ぎないように作るのは難しそうだ。珍しいので一口添える。実はわたしはこの手の、甘くて酸っぱいのが少し苦手であまり作らないのだが、母の作ったのは懐かしい味がして美味しい。
国体や弓道大会で外食の多かった10月だった。地味な食事が美味しい。特に味噌汁が美味しい。
これを手前味噌汁という。