孫にカイトを買っておいた。うちへきた時にあげようと思っていた。そして、その時が来た。14日は、娘たちが仕事なので、わたしの家は臨時保育所と化した日だ。
朝からみぞれの日だったが、午後のひととき晴れた。4歳のKENと2歳のmomoは、昼寝をしたが、今年一年生になるkouはずっと「晴れときどきぶた」を、ひとりで時々声をあげて笑いながら読み終えた。
「たこあげようか?」と、わたしが言うと、目はきらりんと光った。だんなは寝ている孫の番をするという。たいがい体を動かすことは人に譲るタイプだ。わたしが病弱だということを忘れている。退院してから、婆さんのマシンガントークに対抗しているのをみれば、そう思っても仕方がないだろう。うちの爺さんも含めて男達は無口だ。
完全防寒スタイルでふたりで外へ出ると、カイトは何もしなくても風にあおられてあがる。kouは嬉しくて、自分の頭の上にあるだけで、うわーうわーと歓声をあげる。
糸を引きながら結構思い通りにあがるので、ぐんぐんあげていったら「電柱でござる」のを忘れていた。あっというまに、電線にかかってカイトが回転した。回転したらもうだめだ。
「切るしかないね」と、言うと、今まではしゃいでいたkouは、涙を溜めて「ばあばが調子に乗るからいかんのや」と、すねた。楽しかっただけに落胆は大きかった。「ごめんね。北陸電力に電話して謝るね。凧はまた買ってあげるから」と、言ったが「悲しい一日や」と、言ってまだぐすぐずしていた。カレンダーの紙とストローで、小さい凧を作ると、少し機嫌を直して、ウッドデッキのとこで行ったり来たりしていた。かわいそうに、これはわたしの不注意である。
後で娘に「テレビで言ってるやろ。電線のところで凧を揚げないでくださいって」「はい・・・」
翌日電話した。「大変申し訳ないことを致しました。」と、いうと明るく丁寧な電力のおにいさん(若い声なのでたぶんお兄さんだと思う)が、対応してくれた。だんなにくれぐれも、孫が引っかけたと言わないようにと釘をさされた。もちろん言わなかった。「凧が 引っかかりまして・・・」すべては、凧の自発的な行動のせいにした。
午後に高所作業車(後で孫に教えてもらった)が来て、凧は回収された。頭を下げ、罰金は?始末書は?と、口先だけの挨拶をし、頭は真摯に下げた。凧は端っこだけ擦り切れたが、無事だった。昨日からの強風によく耐えた。本当に迷惑千万だ。5人もの人の時間給を支払うと1万円にはなるだろう。時間的には15分ほどか。ちなみに、かかった線はNTTの線だということ。上の方が電線とか。だからと言って、来てしまったので取ってくれた。次にかかった時は、NTTに電話するという道がある。反省が足らない。反省の足らない人間は、また間違いを犯す。そうならないように、今、反省文を書いている。
後で、kouに言うと喜んでくれて、「中央公園でリベンジや!」ついでに、「車が2台も来たよ」というと、「バスケットに乗る人を運んでくるから、2台いるんやよ。はぁば。」「よく知っとるねぇ。」「俺はなんでも知っているんだ。」言われるままのばぁば。
そんなところに電線を這わせる電気会社や通信会社がワルイ・・・などと思うのですが、どうでしょう。
ほんとに、凧揚げする場所がないというのは
寂しいものです。
そして、別にいいよと、言って、ゲームに向かう姿は
悲しいものです。
外で遊んでこそ健全な精神が宿るというもの。
しかし、調子に乗るばぁばというのも困りものですね。