永六輔さんとは懇意にしていた訳ではないが、時折ラジオなどでの話に感心することや、元気が出ることが多くあり、やはりすごい方だったのだなあと思う。中でも、癌について語っていたときは楽しかった。「癌という名前がよくないですね。がーんという響きは患者にとってつらいです。がんではなく、ポンだったら、もっと気楽に話し合えるんじゃないか・・今度、ポンになっちゃって・・」と、流れてきたとき笑ってしまった。
笑えるということは、前に進めるということだ。そういうことを、永さんは言いたかったのかもしれない。夫婦ともに癌になったからこそ受け入れて笑えた。
そして、永さんの「いい患者になるための10か条」も、納得していた。
・お医者さまに、「さま」をつけない。
・誤診、医療ミスで驚かない。
・待合室のうわさ話に参加しない。
・医療スタッフに、見栄を張らせない。
・医療スタッフに、自信を持たせない。
・おとなしい患者だと思わせない。
・簡単には告知をさせない。
・いつも笑顔で、不満な表情はみせない。
・生命のおわりは考えない。
・「ご臨終です」と、言われたら、死んだふりをする。
それぞれに、細かい理由もあるだろうが、わたしは全面的に賛成する。殿も最後まで予定を作っていたことと、余命を話し合わなかったことは良かったと思っている。
さて、7月の健康診断の胃の検診で、精密検査にひっかかったので、医療センターに電話した。
「胃の健診で精密検査要となりましたので、検査を受けたいのですが。」
「午前中は、外来診察で混み合っていますから、予約は午後にかけ直してください。」とのことだった。
どこの店や企業でも、客に電話をかけ直せとは言わないが、病院では強気だなあと思った。企業や店などで客に電話をかけ直せとは言わない。しかし、病院ではやはり患者の方が立場が悪いようだ。午前の外来時間の忙しい時に電話をかけてこないでほしい。という気持ちが伝わってきた。これは、どこの病院でも午前中は忙しい。こいう電話は午後にかけた方が良いようだ。こちらの午後が忙しいのは個人的都合だし、病院の都合に合わせなくてはならない。
午後、仕事へ出かける直前に電話したら、内科へ転送され同じことを繰り返し言うと「胃カメラの検査は予約をしていません。当日、内科へ来て待っていただいて検査しますので、受けられる日に来てください。」で、あった。つい、言ってしまった。
「午前中、電話をしたら、検査の予約は午後にかけてと言われました。それなら、その時に予約ではないことを言ってくだされば、かけ直さなくても良かったのではないですか。」
代表の電話を取る人は、そのくらい対応しても良いのではないか。どうも、新しいこの病院はまだうまく回らないのかもしれない。
「朝、8時から受け付けています。しかし、その時の様子で昼までに終わるかは分からない。」と言われた。それは、何とも仕方ないことである。遠い病院へも行きたくないし。グダグダ言わず、大人しく待っていなくてはならない。
患者はお客様ではなく、やはり病気になったら、お医者さまに治していただくということになるのか。