のんびりーーー食事中、近所のNさんがやってきた。
「パイプの話はどうなった?」と、言うことだった。Nさんは同じ会社の先輩だ。文句を言いに来たのではない、排水の割れを見つけてくれたので、その後どうしたかなあという感じだった。隣の家がわたしに全部任せたことを知って心配してくれたのだ。
実は、D社に見てもらったら85mあって、外れているのは3か所あり、S社が設置して、何度か補修したところも外れていること、設置してある止めの金具が殆どぐらぐらで、やり直すと20万かかるということを話した。そして、話は市役所から生産組合まで広がって大事になったので、とりあえず補修をすぐすることは決まったので近日中に直す旨を答えた。まず、85mの長さと、20万で驚いていた。実際には、部分補修で6万円の見積もりだったので、応急処置として部分補修をすることになった。20万でやり直しをしても、何年持つか分からないのである。
近所のNさんは「大変やんなあ・・」と、目をまん丸にして帰って行った。
町内のH市会議員にすぐに相談した。殿の幼馴染で、殿は選挙の事務局長をしていた。殿は治療中の身体であったので、わたしも一緒に選挙事務所通いをしていた。そんな間柄なので、救済措置がないのか相談したら、すぐにHさんの声掛けで市役所へD建設が直接話ができるよう計らってくれた。しかし、そこで新たな事実が分かった。
石川県の下水道普及率は82%で、加賀市は49%。わたしの住んでいる南郷地区は下水道を造らないと決められた地域であること。生活排水は生産組合と話し合ってほしいとのこと。加賀市役所には「下水道課」も「環境課」もなくて、それに該当するところもないということ。D建設の方が奔走してくれて、生産組合の組合長も動いてくれて、最善策を出してくれたのが、我が家の横の使っていない用水を使えるとのこと。生産組合長の孫とうちの孫が仲良しで、お互いに泊まりに行ったり、親も仲良くていつもBBQをしたり、遊びに行ったりしているので、好意的に動いてくれた。
我が家は角地に建っている。実は、この家はもとは水田であった。前の用水は現在周りの水田に水を供給し、稲刈り時期の今は止めてあるが、側面の用水は、我が家が建ったことで、川までの間が全部宅地になったため、用水は使われなくなったことを生産組合長が調べてくれた。
さて、その側面に排水を流すために合併処理装置に替えなくてはならない。結局、合併処理装置で新たに家の横の使っていない用水に流すことにすると、70万かかるらしい。それは、後ほど考えることになるが、とりあえずはそこに流せるかどうか、市はなんらかの救済ができるかどうかを調べてくれるらしい。
市議もD建設も生産組合長も、近所のNさんも気にしてくれて、わたしが一切動かなくていいからと言ってくれたので、なんとありがたいことか。
ただ、最善策は隣の家とのパイプの共有をやめて、排水を独立するのでお金はかかる。ここが決断のしどころとなる。全く別の離れている家の人たちは垂れ流しで、まじめに取り組んでいる家が費用が発生するという矛盾を抱えることになる。
D建設さんは、「結論は急がんでもいいんじゃないか。」と。考えたら、この家はわたしの代で終わるか、孫が成長したら使うか?分からないのである。
大山鳴動してねずみ一匹。