大沢在昌の作品でボディガードのキリを主人公とするシリーズ。
ボディガードと言うと大柄でマッチョと言うイメージがあるが、
キリは細身で古武術の使い手である。鳥取県の大山にこもり
師匠の元で身に着けた武術で合気道のような空手のような・・・
武術であるが人を殺すための物である。実際に殺してしまっては、
殺人罪で収監されるので殺しはしないのだが。
キリはボディガードの依頼人であるオーストラリアから来た男と
打ち合わせるためにホテルへ向かうが発火事故に遭遇する。
一見、爆破に見えた事故で依頼人は死亡してしまう。
依頼人は日本人で昔は地上げなどであくどい仕事をしており、
仕事で運を使い果たしたため、運が尽きる前に足を洗い、
別人になりオーストラリアへ渡っていた。
地上げで自殺に追い込んだ人間に呪い殺されると信じた依頼人は、
なぜか日本に戻りキリにボディガードを依頼したのだった。
念じる事で呪いの対象者を発火させる能力を持つ人物がいると言う。
その昔、被害者と一緒に仕事をしていたと言う人物が、
被害者が死んでしまった理由と犯人を突き止める事を、
キリに依頼してくる。呪いで人が殺せるならボディガードは
役に立たない・・・。そう考えながらもキリは依頼を受け、
探偵の如く捜査を進めていく。
発火させる超能力に関しては半信半疑であったが、
格闘技好きな私は古武術にかなり興味を持った。