主人公はタクシー運転手、元傭兵と言うのが変わっている。
もちろん経歴は隠しての就職であったが、
タクシーの運転手の経歴はさまざまらしい。
私はほとんど乗らないのであるが。
その昔、見るからに強面の荒っぽい運転手に遭遇し、
その態度にタクシー会社に後で苦情を言った事があった。
面と向かっては言えないくらいの怖さがあった。
タクシー運転手の久我の経歴は、配車担当の男だけが知っていた。
配車担当の男は元極道で殺人で服役していた。
お互いに感じる物があってか二人は良い関係だった。
久我はアフリカで傭兵をしていた時の恐怖の経験から、
明るくならないと眠れないので夜勤専門だった。
(これがタイトルの由来である。)
タクシーは持ち回りなので、昼専門の女性ドライバーが
久我の相方だった。
ある日、久我のタクシーに乗った男が、
携帯電話を忘れて行った。まぁよくある事なのだが、
その乗客は久我の事を知っているようで、
わざと携帯電話を残して降りたようだった。
その携帯電話を入手しようと別人から電話を受けた久我は、
携帯電話の機種が変わっている事から、かつての同僚に
パスワードの解析とデータの確認を依頼する。
男の婚約者から連絡を受けた久我は、
男がアフリカで傭兵だった事を知り、
久我に何かを知らせるためにワザと携帯電話を残した事に気づく。
男は首を切られた死体で発見され、その殺害方法から
久我はアフリカでの恐怖の経験を思い出す。
携帯電話に残されたデータは何なのか?
男は久我に何を知らせようとしたのか?
タクシー運転手が元傭兵・・・・
アフリカの恐怖の首狩り族・・・・
携帯電話に残されたデーターの謎・・・・
久我は見えない敵にどう立ち向かっていくのか?
主人公の設定が面白いと思ったし、
他の大沢作品にも元傭兵が登場した事はあったけど、
さらに傭兵の事も知る事ができた。身近にいないしね。