東野圭吾の加賀恭一郎シリーズである。
加賀がまだ大学生の頃の話で、卒業と言うタイトル。
加賀は父親が刑事だったため、
それが母親が離婚して出て行った理由だと思い、
卒業後は教師になると決めていた。もう一つ、
片思いをしていた高校からの同級生・沙都子に、
結婚を申し込んだ事もある。
刑事では幸せな家庭を持てないと。
高校から同じ大学に進んだ男女7人が、
大学卒業を控えて、就職や恋愛、部活など
それぞれの状況で思い悩み、事件が起きる。
祥子が自殺とみられる状態で発見されたのだ。
それにより、分かり合っていると思っていた仲間の事を
何一つ分っていなかった事を知る。
恭一郎は推理を始め、沙都子と一緒に、
大学の仲間達や恩師、他校の学生などから話を聞く。
そして第2の事件が起きる。
波香が茶道のお茶会の最中に死んでしまう。
2つの事件は自殺か? 他殺であればトリックは?
犯人の動機はなにか?
刑事になる前の恭一郎であるが、
素人であるからこその視点で謎を追って行く。
大沢在昌のハードボイルドを約1年読み続けていたので、
これくらいの肩の凝らない軽いタッチの推理小説が、
読みやすく感じる。暴力シーンや残忍な殺しのシーンが
出てこないから重たくない、構える必要もないし、
トリックや動機探しにも力が入りすぎない。
加賀恭一郎は阿部寛のイメージである。
ぴったりはまるね。