『厚生労働省は6日、認可保育所に申し込みながら満員で入所できない「待機児童」が、2010年4月1日時点で2万6275人に上るとの調査結果を公表した。前年同時点に比べ891人増えた。3年連続の増加で、過去最多だった03年の2万6383人に次ぐ高水準。ただ増加数は、前年の5834人に比べ大幅に鈍化した。同省は「依然深刻な状況にあるが、保育所の定員増で増加幅を抑えられた」(保育課)とみている。
保育所は地方で定員に空きがある一方、首都圏や近畿地方などで供給が追い付かず待機児童が目立っている。同省は毎年4月と10月時点の待機児童数を調査。例年、年度途中の入所希望者分が加わるため、10月が4月の2倍程度となる。』時事通信 9月6日(月)17時27分配信
AERA3月 1日(月) 12時10分配信 / 国内 - 社会 に保育園に入る大変さが掲載されています。『──まさか自分が、あの人が、という落選が続出している。
『就活よりも婚活よりも、いま最も難しいのは「保活」かも。
第1希望の保育園に入れた人は、何をしたのか。──
出勤前、覚えたてのバイバイを子どもとやりあっている夫に、1枚の紙を差し出した。「写すだけだから」
区立保育園の入園申請の書類につける手紙の下書きだ。
「専門知識を持ち指導的立場にある妻が仕事を続けるため、ぜひ入園を……」
しめて400字からなる、夫からの嘆願書。
文京区に住む会社員のマリさん(34)は、手紙が審査にプラスになるという噂を妊娠中に知った。ところが、最近はみんなが添付するから差がつかないらしい。夫婦それぞれ1通ずつ手書きするべし、というのが最新情報。働く妻を応援する夫の手紙は効果大らしいが、夫に書けるはずもないから自作自演。昼休みにスタバで清書してもらう。
「印象が悪くなるかもしれないから、修正液は使わないでね」 と念押しした。
■育児ノイローゼのふり
文京区の入園審査はポイント制で、「両親がフルタイムなら20点」などと指数化されている。手紙は指数に関係ないとわかっているけど、0・01%の可能性にも賭けたい。いま通う事業所内託児所は保育料と交通費で月10万円を超える。区立だと月3万円台になるし、子連れ電車通勤ともサヨナラできる。 厚生労働省によると、保育園に申し込んだのに入園できていない子どもは、昨年4月1日時点で2万5384人。不況で働く親が増えた影響などで前年より3割も増えた。ただ、これはあくまで国が定めた基準を満たす認可保育園の空きを待っている人数で、認可外の保育施設に預けている人は含まれない。働きたいので預けたい、という潜在的ニーズも合わせると、待機児童は85万人とも推計される。
さらに今年は「昨年より厳しい」という声があちこちで聞かれる。2月下旬、4月入園不可の通知に落胆した親は少なくない。わずかな定員に滑り込むには、就活ならぬ「保活」で万全の準備をしなければ──。職場の上司の一筆、役所の保育課への日参はすでに常識。ペーパー離婚してシングルマザーになる人、育児ノイローゼのふりをする人までいる。
選考基準を公表する自治体が増える一方で、自治体によって何が入りやすいかの基準が異なるから余計に混乱する。都内のある区は「居住期間の長さ」を考慮するが、高齢出産が優先される区もあれば、「区長が特に必要と認める場合」は指数に関係なく優先される区もある。
■ライバルの持ち点推計
公表されている選考基準を冷静に分析して保活を制したのは、江東区に住むマキさん(32)。「毛玉だらけのユニクロのフリースで保育課に通った」 という先輩ママの武勇伝が通用