アサヒコム2011年10月20日3時1分 『知能指数(IQ)は思春期のころにかなり変化し、対応して脳の構造も変化することがロンドン大学の研究でわかった。20日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に論文を発表した。 IQは一生であまり変化しないと考えられている。ところが論文によると、協力してくれた男女33人が12~16歳のときに受けたIQテストの結果と4年後に受けた結果をチームが比較したら、4年間で20ポイントも上昇した人がいた一方、同じぐらい下がった人もいた。 磁気共鳴画像撮影装置(MRI)で脳の構造を見たところ、言語や算数、一般教養などを測る言語性IQが上がった人は、話をする時に活性化される左脳の一部の神経細胞の密度が高まっていた。また、ジグソーパズルを解いたりする能力を測る非言語性IQは、手を動かしたときに働く小脳の一部の神経細胞の密度が高まっていた。』
人間脳は、まだまだ解明されていない未知の部分も多いのではないでしょうか。知能指数(IQ)は思春期も能が進化すると言うのは新しい発見です。磁気共鳴画像撮影装置・MRIの精度が高まり脳の構造のこれまで分らなかったかったことも分ってきたのではないでは無いでしょうか。
『人間は、脳あってこその存在。人の行動、思考、感情、性格にみられる違いの数々は、すべて脳が決めているのです。「心の個性」それはすなわち「脳の個性」。私たちが日常で何気なく行なっていることはもちろん、「なぜだろう?」と思っている行動の中にも「脳」が大きく絡んでいることがあります。「脳」を知ることは、あなたの中にある「なぜ?」を知ることにもなるのです。この連載では、脳のトリビアともいえる意外な脳の姿を紹介していきます。
「IQ」が示すのは
記憶・推理・判断
1905年、フランスの心理学者ビネーとシモンは、児童の精神的な発育の遅れを診断する目的で知能の検査をおこないました。これが世界ではじめての知能検査であり、「ビネー=シモン検査」と呼ばれています。
その後、ビネーとシモンの知能検査は各国でさまざまな改良が加えられました。その代表が「スタンフォード=ビネー式知能検査」です。
これらの知能検査は、人間の知能を科学的、客観的に測定するもので、一般的には簡単な記憶、推理、判断などを求めるものです。これらの問題は年齢に応じて設問され、やさしい問いからはじまり、徐々に難度が高くなり、どの段階まで正解できるかで知能を判断します。
その検査の結果が知能指数といわれ、一般にIQと呼ばれます。この指数は、知能検査によって測定された精神年齢を生活年齢で割って100倍した数字であらわされます。
「EQ」は
IQ偏重への警鐘
この場合、精神年齢と生活年齢とが同じであればIQは100となり、標準的な知能とされます。またIQが120であれば、精神年齢が生活年齢より約20%発達していることを意味しています。
このことからIQが高ければ知能程度が高い、いわゆる「頭がいい」と判断されてきました。
このIQは遺伝による要素が大きく、親のIQが高ければ、子供のIQも高くなる傾向がみられます。ただし、幼少期にIQが高いからといってその後ずっと知能が高いとは限りません。成長に伴う脳の発達がその人の知能を決めるからです。
一方のEQは、情動指数といわれています。
これはアメリカの心理学者、P・サロベイとJ・D・メイヤーが提唱し、『ニューヨークタイムズ』の科学記者ゴールドマンがその著『情動知能』で紹介、命名したものです。そのEQの意味は、思いやりやその他の情動を加味した知能という意味です。
実は、このEQにはIQ信仰に対する批判が含まれています。IQは知能の高さをあらわしますが、それに対しEQは、自己を知り、みずから決断し、周囲に対する思いやりを忘れず、周囲と協調していくことを指数化しています。EQは、人間としての生き方を重視し、現代社会のIQ偏重に対して警鐘を鳴らしているのです。
IQはあくまでも脳内の知の構造を意味しているし、EQは脳の情の構造を考慮に入れて人間としての経験、人間としての生き方を問うもの。それが両者の決定的な差なのです。
』