◆野田佳彦首相は13日朝(米国ホノルル時間12日昼)、米国オバマ大統領とホノルル市内のホテルで会談し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について『交渉参加に向けて関係国と協議に入る』と伝えた。これで、とりあえずは、オバマ大統領の顔を立てることができた。2012年11月の大統領選挙で再選を狙っているのに、経済・財政・景気・雇用のどの政策をとっても、全然成果が上がらず、支持率が下降気味で、「落選」の「黄色信号→赤信号」の断崖絶壁に立っているだけに、せめてTPPを実現、成功させたいという悲壮な顔つきである。日本の支援、野田佳彦首相の援護射撃は、ノドから手が出るほど欲しいという切実な思いが伝わってくる。
日本は、大東亜戦争に敗れたとはいえ、国民の多くが、「アメリカに負けてよかった。軍国主義が続いていたらどうなっていたか」とマッカーサー元帥を最高司令官とする連合国軍最高司令部(GHQ)の軍事占領を歓迎した。昭和天皇陛下が「私はどうなってもよい。国民に食糧を援助して欲しい」と懇願されたのに応じて、「脱脂粉乳→小麦粉」などの食糧援助により、日本国民は、何とか生命を維持することができた。日本は米国市場への集中的、あるいはレーザー光線的輸出により、今日の経済的繁栄を築くことができた。この恩義は、ゆめゆめ忘れてはならない。
米国は、「軍産複合体」による「悪の戦争経済」で「財政破綻」状態にあり、加えて「強欲資本主義」による「経済財政破綻」に苦しんでいる。文字通り、自業自得である。
このなかで、旺盛な成長過程にあるアジア地域との貿易が、米国のそれを上回ってきているとはいえ、日本は手のひらを返すように米国を見捨てるわけにはいかない。
戦争永久放棄、戦力不保持を明記している日本国憲法の下で、いざ戦争となれば、日本は、米国軍、米将兵の「血の犠牲」に頼らなくてはならないからである。
今回のTPPは、軍事大国を目指して軍備増大中の中国、旧ソ連軍の栄光復活を図るロシアの野望に対抗するため「環太平洋軍事覇権の再構築」を目指す米国の悲願が、深くこめられている。早い話が、「中国とロシア排除」という世界戦略の展開が、最大の目的なのだ。この冷厳な事実を日本国民は、すべからく認識しておく必要がある。米軍には、しっかりと戦い、日本を守ってもらわなくてはならない。国を自ら守る気概も持たない日本国民は、沖縄をはじめ日本列島内にある米軍基地の存在について、本来、四の五の言える立場にはないのである。
さて、産経新聞msn産経ニュースが11月13日午前9時52分、「首相、米大統領にTPP交渉参加を伝達 大統領『決断を歓迎する』」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「【ホノルル=坂井広志】野田佳彦首相は12日昼(日本時間13日朝)、オバマ米大統領とホノルル市内のホテルで会談し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について『交渉参加に向けて関係国と協議に入る』と伝えた。これに対し大統領は『首相の決断を歓迎する。これからの協議を通じて日米の協力を進めていきたい』と応じた。首相はその後、ホノルル市内で記者団に『関係国との協議を通じて、関係国が日本に何を求めているかが明らかになる。そういう情報を国民に明らかにしながら国民的議論をしていきたい』と述べた」
◆ところが、野田佳彦首相は、TPP首脳会合に招かれなかった。これも、当たり前のことであった。戦国時代末期、豊臣秀吉が小田原攻めをした際に、死に装束で遅れてきた独眼流・伊達正宗のようなもだ。恭順の意を示して、「関東の連れ小便」でピンチを逃れたのと余り変わりはない。オバマ大統領は、「利に聡く、小賢しい日本」、とりわけ野田佳彦政権の閣僚や民主党幹部らを信用していない。「いつ米国を裏切って、中国、ロシアに鞍替えするか分からない」と不信感を抱き、警戒している。何しろ、民主党には党綱領もなく、味方さえ平気で裏切る「極左政治家」がゴロゴロしているのを知っているからだ。だからというわけでもなかろが、野田佳彦首相は、オバマ米大統領が12日朝にホノルルで開いたTPP交渉9カ国の首脳会合に、招待されもしなかった。情けないったらありゃしない。
このことを朝日新聞asai.comは11月12日午後3時、「TPP、首相さっそく厳しい洗礼 加盟国会合招かれず」という見出しで、次のように配信している。
「オバマ米大統領が12日朝にホノルルで開く環太平洋経済連携協定(TPP)交渉9カ国の首脳会合に、野田佳彦首相が招待されない見通しであることが11日わかった。9カ国が積み上げた交渉の成果を大枠合意として演出する場に、交渉参加を表明したばかりの日本は場違いとの判断が背景にあるものとみられ、TPP交渉の厳しい『洗礼』を受ける形だ。日本政府の一部には、野田首相がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議前に『交渉への参加』を表明すれば、TPP首脳会合にも招待される可能性があると期待があっただけに、落胆が広がっている。TPP交渉を担当する日本政府高官は『日本(の出席)は少し違うということだろう』と語り、現時点では、出席できない見通しであることを認めた」
◆こうなったら、思い切って、日本がTPPを仕切るくらいの積極的、アグレッシブに関わっていくくらいに、腹を括った方がよい。いかに米国が偉そうに振舞ったところで、日本抜きのTPPは、あり得ないからだ。米国以外の8か国は、言うなれば、いずれも小国ばかり。口汚く言えば、「雑魚」だ。
となれば、米国から要求を突きつけられることを、恐れている場合ではない。先手を打って要求項目を作成して、逆に突きつけていくべきである。そのために基本とするのは、「自由主義の体制破壊を禁じる」という原則を立てることだ。いかに自由競争が大事であるからと言っても、「自由主義体制を破壊する自由はない」のである。そのために、思いつくままに言えば、具体的には、次のような要求項目を立てるのである。
①ヘッジファンドの設立禁止、金融商品(国債を含む)の「空売り」禁止。
②危険な金融商品の開発禁止。
③各国への「通貨攻撃」の禁止。
④医薬品の特許の短期公開。
⑤種子の特許独占の禁止。
⑥化学兵器(枯葉剤、劣化ウラン弾、PCBなどを含む)の製造禁止。
⑦日本型の皆年金、皆保険の各国導入。
考えれば、いくらでも出てくるだろう。怯んではならない。自由主義を破壊するような米国の弱点は、いまや数限りないのである。
本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
ディビッド・ロックフェラー・ジュニアが東日本大地震被災地を訪問、視察した意味とは、果たして何か? ◆〔特別情報①〕
ディビッド・ロックフェラー・ジュニアが11月7日、東日本大地震被災地を訪問したといい、その目的、底意が取り沙汰されている。というのは、米国最大財閥を率いてきた父のディビッド・ロックフェラー(シティグループ、エクソン・モービルのオーナー、96歳)が、ジェイコブ・ロスチャイルド主導、スイス政府主催の「57か国」(8月30日、モナコ→地中海の船上に移動)から「処罰」される身であったからだ。
つづきはこちら
→「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」*有料サイト(申し込み日から月額1000円)「板垣英憲情報局」はメルマガ(有料)での配信もしております。お申し込みはこちら↓板垣英憲マスコミ事務所ブログランキング【最新好評講演テーマ】
マスコミに出ない政治経済の裏話
『激変する世界と日本の進路』
『放射性物質について学ぼう』