今や飛ぶ鳥を落とす勢いのハシズム・維新の会、最大かつ唯一の弱点については、最後まで引っ張るとしてw、大阪維新の会が大阪府知事選挙に出馬要請した相手は東国原氏、経産省官僚の古賀茂明氏、テレビキャスターの辛坊治郎氏と次々断られました。
それはそうでしょう。
最近の橋下・維新の会はますます暴走していて、まともな人間がとても組めるような存在ではありません。組みたいと思うのは、今や国民の支持率0%!という驚異の数字をたたき出した亀井静香・国民新党くらいでしょう(笑)
あ、公明党もいたか。
維新の会の暴走といえば、強行採決で、不要不急の議員削減条例と君が代斉唱・日の丸義務化条例を可決。
このあとも、憲法の違反の職員基本条例=公務員整理解雇条例(労働基本権侵害)、教育基本条例(教育の自由侵害)、性犯罪者届け出条例(プライバシー権侵害)、と違憲違法で必ず裁判になる条例案が目白押しです。
橋下さんは大阪府知事を1期途中で辞めて逃げてしまい、大阪市長選に出るからいいですが、こんな負債を残される次の大阪府知事に誰がなるというのでしょうか。
というわけで、橋下府政の負債を押しつけられたのが松井維新の会幹事長です。
負債と言えば、大阪府庁移転断念問題です。
橋下知事が、本庁舎(大阪市中央区)の咲洲(さきしま)庁舎(住之江区、旧 WTC)への全面移転を断念しました。
前にも書きましたが、咲洲庁舎というのは、下の地図で言うと、ATCの横の「トレードセンター」と書かれたところが、WTC(ワールドトレードセンター)です。
ものすごく辺鄙(へんぴ)なところにあって、大阪の中心部、梅田などキタとか心斎橋・難波などミナミからとてつもなく離れていることがおわかりになるでしょう。
もともと、大阪府庁には不向きで、各党から府庁移転を反対されてきたこのビルについて、専門家会議の委員らが、ビルと地盤が共振 し、揺れが増幅する最悪の組み合わせとなっており、発生が予想されている東海・東南海地震では往復13メートルもの大きな揺れが生じる可能性があると断定 しました。
また、建物として安全に使用するには耐震補強は技術的に難しく、莫大な費用もかかると強調したのです。
それで、あえなく、府庁移転は断念。
しかし、橋下知事が咲洲への全面移転を提唱したため、すでには約2000人の職員がこの危険な建物で勤務しています。
さらに、府庁を移転しないとしても、この咲洲庁舎を持ち続け、両庁舎を併用した場合に今後30年間の経費が約1202億円!に上ることが、府の試算で分かったのです。
咲洲庁舎を長く持てば持つほど借金が増えるわけで、橋下知事の責任も問われることは必定です。
東日本大震災で咲洲庁舎に被害が出た長周期地震動に対応するための改修費(約45億円)に加え、咲洲の維持管理費は465億円と、いまの大手前庁舎(280億円)の約1.6倍に上ります。
3年前に知事に当選してから、散々、教育・福祉予算を切り捨ててきたのに、こんな馬鹿な失態があるでしょうか。
橋下知事は「重要なのは購入時の判断がどうだったか。自然災害は予測不可能で、当時最善の判断をしたのであれば、理解いただきたい」と言い訳していますが、南海地震が30年以内に起こる可能性が70%であるというのは、公知の事実です。
湾岸地帯の人口島に下の図のように津波や液状化の危険があることなど、計画当初から素人でもわかることなんですが、橋下さんは南海大地震の発生確率や規模も知らなくて驚いていました。
自然災害は予測不可能なんていう、わけのわからない言い訳は通用しません。
そして、何よりひどいのはこの津波被害の予想地図も「府民の不安をあおる」と言って7月まで隠していたことです。
これでは、地震や津波の被害を想定外と言い訳して、情報隠しに奔走する東電や経産省がやっていることと同じです。
11月22日付け産経新聞は以下のように報じています。
咲洲庁舎の空きスペース50%以上、大阪府は活用か撤退か
経営難から今年9月に退去した結婚式場跡。パイプオルガンを備えた純白の教会はがらんとしていた=大阪府咲洲庁舎51階 (平田雄介撮影)
東日本大震災で防災拠点としての脆弱(ぜいじゃく)性が明らかになり、橋下徹前大阪府知事が庁舎の全面移転を断念した府咲洲(さきしま)庁舎(同市住之江区)の空き室率が50・3%に達していることが21日、わかった。9月以降、大阪市や結婚式場が退去したためで、50%を上回るのは、平成7年に大阪市の3セクビルとして開業して以来、初めて。
(中略)
府咲洲庁舎51階、結婚式場の跡地にはパイプオルガンだけが残されている。ガラス張りの窓から大阪湾が一望でき、「西日本で最も高い場所にある結婚式場」とPRしていたが、利用者減少による経営難から、9月に撤退したという。
府の集計では、事務所・テナント用スペース約7万3500平方メートルのうち、空き室は約3万7千平方メートル。今後、この超高層ビルをどう活用するのか、次の知事は、難しい判断を迫られることになる。
府知事選の候補者3人のうち、前池田市長の倉田薫氏(63)=民主、自民府連支持・支援=と弁護士の梅田章二氏(61)=共産推薦=は咲洲庁舎から撤退し、庁舎機能を本庁舎のある大手前地区に集約する考え。活用策について、倉田氏は「大阪の成長戦略の中で新しい大阪市長と相談しながら決める」。梅田氏は「府と大阪市、関西財界などでつくる協議機関で検討する」としている。
一方、大阪維新の会幹事長の松井一郎氏(47)は当面、本庁舎と咲洲庁舎を併用。安全が確認されることを前提に、国際戦略総合特区のシンボルタワーとして咲洲に庁舎機能を集約することも検討する。
(中略)
咲洲庁舎を使い続けるには耐震補強工事が必要で、工法次第で20億~130億円の費用を見込む。耐震費用を除いても、2庁舎を併用する場合の整備・管理費は1201億円。咲洲庁舎に庁舎機能を集約した場合の整備・管理費は917億円を見込んでいる。
(後略)
民間企業は、すでに我先に逃げ出しているこの建物。
大阪府の担当部局は、売却が遅れるほど管理費が増大すると指摘しています。つまり、WTCを買ったことがそもそも間違いなのです。
すでに現実化している損害でも85億円で買って、33億円も改修費用にお金をかけてきたのに、危険なのでは建物の使い道もありません。あとまだ14億円かかるそうです。
持ち続けるだけ損なので、すでに使ってしまったこの110億円以上も全部パーです。
教育や福祉・文化をあれだけ切り捨てて何を無駄づかいをしているのでしょう!
当然、大阪府民は住民訴訟を起こすべきですが、こんな人権感覚も経営感覚もない人たちに、大阪府知事や大阪市長だのをやる資格がないのは明らかです。
橋下さんは256メートルの高さのトレードセンターのビルがカッコいいからここを府庁舎にしたかったとしか思えません。まさに、男性としてのコンプレックスの裏返し。
松井一郎維新の会幹事長が大阪府知事選挙に立候補してはいますが、この人が橋下氏の傀儡である事は自他共に認める事実でしょう。
たとえば、橋下氏が選んだ教育委員たちからも「邪魔なだけ」と総スカンを食った教育基本条例も職員基本条例も、松井氏は府知事になったら「全力で成立させる」と言っています。
それどころか、使い続ければ30年間で1200億円も損をすると分かっている咲洲庁舎も、本庁舎と併用するというのです。
その30年間に70%の確率で南海地震が来るという建物に、何千人もの職員を働かせ、市民にも利用させるというのですから、もはや橋下氏と自分たち維新の会の失政の糊塗・保身しか眼中にないのでしょう。
さて、ここまで来て、橋下・ハシズム・維新の会の唯一最大の弱点がおわかりになりましたでしょうか。
それは、違憲違法の教育基本条例案?
それとも、大阪府庁移転断念問題??
いえいえ、違います。
それは「橋下徹が二人いないこと」です。
橋下氏が二人いれば、大阪府知事を辞めることなく、橋下クローンwが大阪市長選挙に出て、ダブル選挙も圧勝だったでしょう。
しかし、大阪市長選挙の出馬をことごとく断られ、松井氏では平松市長に勝てないものだから、橋下氏は府知事を辞めて市長選に出るという賭けに出ざるを得なくなりました。
そして府知事候補も全くおらず、松井幹事長を立候補させざるを得なくなったわけですが、たとえば、倉田池田市長と比べても華もなければ知恵もありません。
他人の操り人形でもかまいませんなどというコバンザメのような人が、まともな大人なわけがないのです。
松井氏が橋下氏の陰に隠れたまま府知事に当選すればいいですが、もし、たとえば倉田大阪府知事が誕生したら、橋下氏が大阪市長になれても、橋下氏が府知事から市長になって権限が小さくなっただけですから、大阪都構想なんて頓挫です。
大阪市議会では維新の会は野党ですから、もう橋下氏の思うようには行きません。職員も橋下氏のやり方には猛反発していますから、橋下氏が立ち往生することは必定でしょう。
早晩、橋下氏は市議会を解散するかしないかの瀬戸際に追い込まれ、また市議会選挙だの市長選挙だの、市政は混乱の極に達するのは必至です。
というわけで、松井氏がハシズムのアキレス腱であり、大阪と日本の唯一の救いでもあります。橋下氏が当選しても、大阪市議会とも大阪府ともねじれ現象が起こり、大阪都どころか良いことはなにもありません。
結局、松井氏も橋下氏も当選させて「ハシズム独裁完結」だけは許してはならないということです。
長かった反ハシズムシリーズもいったん終わりです
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