毎日新聞 5月16日(土)10時44分配信
◇観光客が急増 花畑の中で写真撮影の人も増加
青いネモフィラの花を一面に咲かせることで知られる国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)で、花畑が踏み荒らされる被害が出ている。観光客が急増し、花畑の中に入って写真撮影する人が増えたためだ。公園管理センターは、今月初めて柵や看板を設置したが、景観を損ねる要因ともなるだけに、対応に頭を悩ませている。
同公園は、13年前からネモフィラの植栽を始め現在は約3万5000平方メートルに、約450万本と国内最大級のネモフィラが植えられている。5月の大型連休前後が、鑑賞のベストシーズン。今年は好天が続いたことに加え、JR常磐線上野東京ラインの開通も手伝って、大型連休(4月25日~5月6日)中の1日当たりの平均入場者数は、前年比35%増の4万3391人と過去最高を更新した。
花畑に張り巡らされた通路は、狭いところで幅1.2メートル。ごった返すと、人が花畑に押し出されてしまう。さらに写真撮影のため、平然と花畑に入る「マナー違反」の人も目立ち、ひどいところでは、通路から約3メートルにわたって踏まれ、土がむき出しになったところもある。「花を近くで観察したり、においをかいだりして楽しんでほしい」(管理センター)という狙いもあり、従来は「立ち入り禁止」をあまりアピールしてこなかったが、過去最高の人出となった今月4日の閉園後、同公園は特に踏まれている約400メートル区間に高さ30センチのロープの柵を設置。「立入禁止」と書かれた看板も約30カ所に設置した。昨年も来たという埼玉県の60代の女性は「植栽が荒らされていて驚いた」と残念そう。神奈川県から初めて訪れた30代の女性は「看板があると、良い写真も撮りにくい。何とかならないものか」と話した。
同公園は、鑑賞シーズンが終了する来月には柵を撤去する予定。秋に向け、同じ場所にコスモスやコキアなど別の花を植えるが、園内放送やパンフレットでの注意喚起にとどめたい考えだ。』
写真を撮る人のマナーの悪さ、自分さえ良ければ良いと言う利己主義者の多くなった今の日本、花の命も人間の命も大切にしない世相の反映です。