南北融和を歓迎できない日本に9条護憲を語る資格はない
9日夜の平昌五輪開会式を見て、平和と南北統一を訴えるその思いに、私は圧倒された。
翌10日には、金正恩は妹の金与正に親書を託し、文大統領を招聘した。
「私が特使です」
「これが金正恩の意思です」と金与正に言わせて。
両首脳が会えば解決できないことはない、と言わんばかりだ。
朝鮮戦争が停戦されて以来、南北融和の気運がここまで高まった時はなかった。
この機会をさらに発展させていけば、南北統一も夢ではない。
逆に、もしこの機会を生かす事が出来なければ、南北統一は遠のき、戦争が起きることすらあり得る。
そう思わせるほどの歴史的分水嶺に我々はいま立っている。
米国が南北融和を望まないのは当然だ。
アジアを分断し、戦争状態にしておかないと、米軍をアジアに駐留させる根拠がなくなる。
米軍を国内に封じ込めていては、国が成り立たない。
それが米国という国だ。
しかし、日本が南北融和を望まない理由はどこにもない。
ましてや憲法9条を世界に掲げる日本は、いまこそ世界のどの国よりもこの動きを歓迎し、支援すべき国である。
しかも日本には朝鮮を侵略した負の歴史もある。
いまこそ日本はこの歴史的南北融和の動きを、隣国として最大限に支援すべきだ。
ところがどうだ。
きょう2月11日の各紙の社説は、金正恩のほほえみ外交に警戒一色だ。
対米従属の安倍首相が水を差すのはわかる。
安倍首相を応援する読売や産経がそう書くのはあたりまえだ。
しかし、朝日も毎日も、東京も、「非核化の目標を堅持せよ」(朝日)、「平和攻勢に惑わされるな」(毎日)、「南北だけを先行させるな」(東京)などと注文をつけている。
一億総警戒だ。
一億総北朝鮮憎しだ。
そして、文在寅大統領に対する一億総反発だ。
この国は、憲法9条を語る資格はない。
しかし、1億を超える日本国民の中には、私のように、今度の南北融和の動きを全面的に歓迎し、文在寅大統領の英断を褒め称え、そして金正恩に、北朝鮮の核 はアジアに向けられることはない、北朝鮮の核は韓国と共有する、そう宣言させたい、と考える国民は必ずいると信じている。
本当にそう願う100万人の国民がいれば、その国民と共に、新党憲法9条を実現することを私はあきらめない。
戦争国家の米国をアジアから叩き出し、南北統一の韓国と、軍事覇権国中国を憲法9条を掲げて説得し、戦争に満ち溢れた今の世界から、少なくとも東アジアだ けは解放する、東アジアに恒久的平和体制を構築してみせる、そんな外交・安保政策を正面から日本国民に訴える政党こそ、これからの日本の政治に必要なので ある。
それを教えてくれた平昌五輪である(了)