前の記事でミカン畑があるのが静岡の魅力の1つと書いたが、古くから日本にある柑橘類は種類が多く、静岡県内では民家の庭先にミカン類やユズなどが植えられていて楽しい。列車に乗っていると、海と反対側には標高は高くないが急な傾斜の山があって、斜面がミカン畑になっている光景もよく目にする。この記事は柑橘類のお話。
吉原から乗った下り列車は富士川の鉄橋を渡る。ここが商用電源の周波数の50ヘルツと60ヘルツ(東京電力と中部電力)の境目になるが、東海道本線は直流電化なので関係ない。桜えびで有名な由比(ゆい)を過ぎて、静岡市清水区(旧清水市)の東海道の宿場町、興津(おきつ)で下車。
駅の裏側は住宅もあるがミカン畑も点在し、山が迫っている。
プログラムオート F/5.6 1/60 露出-0.3
早生ミカンの収穫は10月から始まっていて、11月には本格的なシーズンを迎えると思っていたが、まだ青い実の木も多い。色付きにあまり時間がかからないのだろうか。
プログラムオート F/3.5 1/80 露出-0.3
ここはフェンスがついていてやけに厳重。しかもいろいろな種類の柑橘類がなっている。手前のはやや大きいから夏ミカンだろうか。別のところにはブンタンのようなもっと大きな実をつけた木やカラタチと思われる小さな実をつけたトゲのある木などもあった。
実は、ここは農家の畑ではなく、国の試験研究機関。「ここで栽培しているミカンは研究用ですので勝手に採ることを禁じます」という看板があった。
とはいっても上の写真の大きいミカンは路上に落ちて車に踏まれるかもしれないし、ブンタンのようなのは通行人の頭に落ちたら大変なことになりそうな高い位置に道路にせり出して着いていた。住宅地と研究機関がこんなに近接しているのは珍しいと思う。
正門には立派な看板があった。
プログラムオート F/5.3 1/60
「独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 カンキツ研究興津拠点」という長ったらしい名前で何をやっているのか分かりにくい。
国の行政改革の一環で複数の機関がまとめられてこんな名前になってしまったが、以前の「農水省の果樹試験場のカンキツ部門」と言った方がわかりやすそう。
ミカンはリンゴやナシのように品種名を意識することは少ないが、ちょうど今頃出回る早生ミカンの代表の「興津早生」という品種などがここで育種されたそうだ。
本所はつくばにあり、長崎にもカンキツの研究拠点があるそうだ。ちなみにかつては青森にも試験場があり、リンゴの「ふじ」が作られた(現在は弘前大学附属農場になっている)。また、秋田の大仙市大曲と大仙市刈和野には現在も、果樹ではないが同機構の「東北農業研究センター」という部門の拠点と試験地があり、今年、色付き食用米や観賞用イネを開発してニュースになった。
それにしても、興津町は1961年に清水市になり、さらに現在は静岡市になったのに、未だに「“興津”拠点」という名称なのに対し、秋田の方は市町村合併に併せてさっさと「“大仙”研究拠点」にしてしまったのは同じ組織内で一貫性がない! しかも「“刈和野”試験地」も大仙市内だからややこしい。おまけに国の機関だから山陰地方の「大山(だいせん)」と混同されかねない。そのまま「“大曲”研究拠点」にしておけばよかったのに。
業務の効率化、経費削減のために市町村合併や組織再編は必要なのだろうけれど、長い名称、ややこしい地名などもうちょっと考えてほしい。
そろそろ日が落ちてきたので、興津の1つ隣の駅、予約したホテルのある清水へ向かう。
吉原から乗った下り列車は富士川の鉄橋を渡る。ここが商用電源の周波数の50ヘルツと60ヘルツ(東京電力と中部電力)の境目になるが、東海道本線は直流電化なので関係ない。桜えびで有名な由比(ゆい)を過ぎて、静岡市清水区(旧清水市)の東海道の宿場町、興津(おきつ)で下車。
駅の裏側は住宅もあるがミカン畑も点在し、山が迫っている。
プログラムオート F/5.6 1/60 露出-0.3
早生ミカンの収穫は10月から始まっていて、11月には本格的なシーズンを迎えると思っていたが、まだ青い実の木も多い。色付きにあまり時間がかからないのだろうか。
プログラムオート F/3.5 1/80 露出-0.3
ここはフェンスがついていてやけに厳重。しかもいろいろな種類の柑橘類がなっている。手前のはやや大きいから夏ミカンだろうか。別のところにはブンタンのようなもっと大きな実をつけた木やカラタチと思われる小さな実をつけたトゲのある木などもあった。
実は、ここは農家の畑ではなく、国の試験研究機関。「ここで栽培しているミカンは研究用ですので勝手に採ることを禁じます」という看板があった。
とはいっても上の写真の大きいミカンは路上に落ちて車に踏まれるかもしれないし、ブンタンのようなのは通行人の頭に落ちたら大変なことになりそうな高い位置に道路にせり出して着いていた。住宅地と研究機関がこんなに近接しているのは珍しいと思う。
正門には立派な看板があった。
プログラムオート F/5.3 1/60
「独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 カンキツ研究興津拠点」という長ったらしい名前で何をやっているのか分かりにくい。
国の行政改革の一環で複数の機関がまとめられてこんな名前になってしまったが、以前の「農水省の果樹試験場のカンキツ部門」と言った方がわかりやすそう。
ミカンはリンゴやナシのように品種名を意識することは少ないが、ちょうど今頃出回る早生ミカンの代表の「興津早生」という品種などがここで育種されたそうだ。
本所はつくばにあり、長崎にもカンキツの研究拠点があるそうだ。ちなみにかつては青森にも試験場があり、リンゴの「ふじ」が作られた(現在は弘前大学附属農場になっている)。また、秋田の大仙市大曲と大仙市刈和野には現在も、果樹ではないが同機構の「東北農業研究センター」という部門の拠点と試験地があり、今年、色付き食用米や観賞用イネを開発してニュースになった。
それにしても、興津町は1961年に清水市になり、さらに現在は静岡市になったのに、未だに「“興津”拠点」という名称なのに対し、秋田の方は市町村合併に併せてさっさと「“大仙”研究拠点」にしてしまったのは同じ組織内で一貫性がない! しかも「“刈和野”試験地」も大仙市内だからややこしい。おまけに国の機関だから山陰地方の「大山(だいせん)」と混同されかねない。そのまま「“大曲”研究拠点」にしておけばよかったのに。
業務の効率化、経費削減のために市町村合併や組織再編は必要なのだろうけれど、長い名称、ややこしい地名などもうちょっと考えてほしい。
そろそろ日が落ちてきたので、興津の1つ隣の駅、予約したホテルのある清水へ向かう。