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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

三連休パスで静岡へ~その6・富士川楽座~

2008-11-08 22:28:03 | 旅行記
この記事からの続きです。
由比駅から乗った上り列車は3つ目に「富士川駅」、富士川を渡って「富士駅」に停まる。由比と静岡同様、10月までは富士川町があったのだが、11月から合併で富士市になった。富士川を挟んで商業電流の周波数が変わるので、同じ市内で50ヘルツと60ヘルツが混在することになる。かつては秋田市の都市ガスも市営ガスエリアと東部ガスエリアで規格が違ったけれど。
なお、駅名も地名も川の名前も「ふじがわ」でなく「ふじかわ」と濁らない。

次の行き先は、「道の駅富士川楽座」(別に「道の駅富士」もある)。場所的には富士川の近くなのだが、近くに駅がないので富士川駅または富士駅で身延線に乗り換えて柚木という駅から歩いて行く(富士川駅からはバスがあるらしい)。どちらの駅からも徒歩30分ほどだが、時間をかけて行く価値のある道の駅だと思う。

富士駅で山梨の甲府へ向かう身延線に乗り換える。甲府まで行く列車は少ないが、途中のやきそばで有名な富士宮方面には、1時間に2~3本、ワンマン運転の普通列車がある。
すぐ柚木駅に到着。無人駅だが、ホームが高架になっており、富士山のふもとに向かってまっすぐ線路が伸びている。
プログラムオート F10 1/320 露出-0.3

JR東海の駅名標は、所在地名の併記やフォントが国鉄時代のものに近いデザインで統一されている。管轄する駅の数が比較的少ないから実現可能だったのだろう。
プログラムオート F6.3 1/200
柚木(ゆのき)って、いかにも静岡らしい地名。静岡市内には同じ字で「ゆぎ」という地名・私鉄の駅がある。「静岡市内の駅も『ゆのき』と読む」とのご指摘をいただきました。(11月11日)
駅周辺は、片側1車線の旧東海道が通っている。住宅が多いが所々ミカン畑があり、その間から富士山が見える。交通量が多く、歩道が狭くて、のんびりとは歩けないが、気持ちいい。
富士川橋を渡る。長さ399メートル、1924(大正13)年に架けられ、今もほぼそのまま使われている。秋田市の先代の秋田大橋は1934(昭和9)年に架けられたそうで、構造が似ている。橋を渡って右折すると上り坂になり、東名高速の下をくぐると道の駅に到着。

「道の駅富士川楽座」は国道52号線沿いの道の駅だが、建物の3階部分が東名高速上り線の「富士川サービスエリア」に面していて、双方の行き来ができる構造になっている。「ハイウェイオアシス」というらしい。3連休なので一般道も高速も駐車場が大混雑だった。
プログラムオート F9 1/400 露出-0.3
SA部分から撮影した、富士山と道の駅の建物。ここから入ると3階。別に富士川SAの建物もある。

プログラムオート F10 1/320 露出-0.3
富士山ろく・朝霧高原の「いでぼく」こと井出種畜牧場の売店がある。オーソドックスなバニラソフトが350円でちょっと高いけど、個人的にはここのソフトがかなり気に入っている。しつこくないのに、ちゃんと牛乳の味がする。コーンも一見普通だけど、牛乳入りの自社製で、ほのかに甘い。

昼食にしたいが、混んでいるので時間つぶしに、道の駅裏のミカン山へ行ってみる。収穫間近らしく、色付いたミカンが多い。甘酸っぱい香りが漂うような気がした。

プログラムオート F7.1 1/160 露出-0.3

空いてきたので、昼食。桜えびとか海産物のメニューが食べたい。4階にレストランがあるが、高いので、3階の食堂にする。先にレジで食券を買うのだけど、そこだけ行列になっていて、店内の席は空いていた。
前の人が桜えびのかき揚げを頼もうとすると「揚げ物は混雑のため時間がかかる」と言われていたので、僕は「鮪の漬け丼」880円に急遽変更。
店内はセルフサービスっぽい構造だが、そうではなく、席に座ると係りの人が食券を取りに来てくれる。5分もしないうちにできてきた。
プログラムオート F3.6 1/80
ご飯が寿司飯でおいしかったけど、付け合せもなくて、やや飽きた。以前食べた、桜えびかき揚げ丼と鮪の漬け丼のミニ丼セットなどが割高だけど量的にいいかもしれない。ちなみに、チキンカツ定食とか麺類もあります。

富士川と富士山が見渡せる窓に面したカウンター風の席にいたのだが、食べ終わる頃、シルエットだった富士山が、突然、陽が差したのか、紅葉に染まって美しく見えた。あわてて外へ出る。
富士山が見渡せる展望デッキでは多くの人が写真を撮影。青空に秋らしい雲も浮かんで、美しい。

プログラムオート F7.1 1/250 露出-0.3

裏のミカン畑にも行ってみる。

プログラムオート F9 1/200
以前、記事で取り上げた
、“岩木山とリンゴ”のように“富士山とミカン”の写真を撮るべく、設定を変えて何枚も撮るが、露出がうまく合わない。太陽の向きなどもあるだろうが、リンゴと違ってミカンは葉も実も光沢があるから、光を反射してしまうようだ。

おみやげコーナーを覗いてから帰る。今度は富士川駅へ向かう。富士川橋を渡らずに、川の下流方向に歩く。川越しに見る富士山も美しい。空気や空は秋田でいうと9月頃、初秋の感じがする。

さった峠、道の駅往復とかなり歩いて、疲れた。下り電車で興津へ戻る。富士川駅のホームからも富士山が見えた。
プログラムオート F8 1/160 露出-0.3
コメント (8)
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三連休パスで静岡へ~その5・さった峠~

2008-11-08 00:01:34 | 旅行記
この記事の続きです。

2日目の朝。雲は多いが青空。天気予報では昨日や明日よりも天気がよさそう。
この日は明確な予定は立てていなかったが、富士山が見える場所に行くつもりで、候補を絞っていた。
移動手段を調べようとバス会社「しずてつジャストライン」のホームページを見ると、10・11月の土曜・休日限定で同社全路線が1日乗り放題になる「ウォーキングフリー乗車券」が500円で発売中なことを知り、昨日、清水駅前の案内所で買っておいた。カンキツ試験場のある興津から清水・静岡・焼津方面までが運行範囲で、JR東海道本線と並走する路線もある。しかも初乗りが160円の会社だから、4回乗ればモトが取れてしまう。

今回の旅行で旧清水市中心部に来る予定はもうないので、清水港に寄って富士山を眺める。区役所や駅のすぐ裏が港で、まさに“港町”。
プログラムオート F7.1 1/320 露出-0.3

町中の何か所かでアサガオが咲いていた。「日本アサガオ」でなく、涼しさに強く、葉や茎に毛が少ない「西洋アサガオ」だと思うが、11月に咲くとは秋田人には信じられない。
プログラムオート F5 1/80 露出-0.3
2022年10月の同じアサガオの記事

最初は「さった峠」に行く。旧東海道の由比宿と興津宿の間の難所だが、広重の「富嶽三十六景」にも描かれたとおり、富士山が美しく、現在も多くのウオーキング客がいる。
※「さった」は正しくは「薩」と「土へんに垂」ですが、「た」の漢字がOSやフォントによって表示されないので、ひらがな表記にします。
ウオーキングの人たちは東京寄りの由比側から歩くことが多いらしいが、興津側からの方が楽らしいので、興津へ向かう。コインロッカーに荷物を預け、清水駅前から但沼(ただぬま)車庫行きというバスに乗る。フリー乗車券なので、興津駅前でなくより近くの3停留所先の「県営興津団地前」で降車。清水から20分かからず、思ったより近い。
8時30分 事前にダウンロードしたガイドマップを見て歩き始める。興津の町の中はちょっと分かりづらいが、山に近づいてくると、要所要所に案内があり、地図なしでもなんとかなりそうだ。

8時51分 興津側はこのような、みかん畑や農家の間の細い道が多く、一部上り坂。
プログラムオート F3.5 1/80 露出-0.7
しばらく行くと開けた道に出るが、急な上り坂。途中に公衆トイレがあり(ここ以後は当分ない)、さらに斜面の途中のお墓とみかん畑を上る道が続いている。振り返ると興津の海が光る。
さらに先はうっそうと木が茂った暗い上り坂だが、距離は短い(急な上り坂はここでおしまい)。

9時07分 暗い道を抜けると、突然、目の前に駿河湾が広がった!
プログラムオート F8 1/400 露出-0.3
道の勾配は緩くなった。海には桜えびを獲っているのだろうか、小さな船がたくさん浮かんでいる。

9時11分 ついに富士山が見えた。右側は伊豆半島。
プログラムオート F7.1 1/320
感激して写真を撮るが、事前に見た写真とはアングルが微妙に違う。この先に展望台があるという表示があるので、さらに進む。右手に駿河湾、正面に富士山を臨み、道端にはみかん畑(一部びわ畑)。江戸時代の旅人も、この風景を眺めて爽快な気分になったのだろう(当時はみかん畑はなかったらしい)。

9時31分(途中立ち止まって撮影しながらなので、実際はそれほど時間がかからないはず) 展望台に到着。由比から来たと思われる先客が3人いた。
プログラムオート F8 1/400 露出-0.3

これが展望台からの眺め。富士山は若干霞んでしまった。
下に見えるのは、JR東海道本線・国道1号・東名高速。トンネルになっている東海道新幹線以外の日本の大動脈が集結するポイント。
プログラムオート F10 1/320 露出-0.7
「興津駅まで4km、由比駅まで3km」とあり、半分過ぎた。
この辺には記念撮影に使えそうな「さった峠」と書かれた標柱が分散していくつもあり、違いが分からず、どれが“本命”か分からない。
ミカンやキウイの無人販売がある。食べてみたいが、どれも5個以上で1袋になっていて、重いし持て余すので買わない。バラ売りしてくれれば喜んで買うのに・・・
数分進むと、駐車場があり(トイレもあったかな)、たくさんの車が停まっており記念撮影するグループもいる。ここまで車で来て、ここから展望台までほんのちょっとだけ歩くこともできるそうだが、すれ違いが難しい狭い道路だ。

ここからは車も通る道なので、気を付けて歩く。下り坂になっても、まだ富士山が見える。
プログラムオート F7.1 1/320 露出-0.3

さっきははるか下だった高速や国道がだんだん近くなってきて、10時9分 急な下り坂の下に由比の町が見えてきた。久しぶりに見る町並みがうれしい。
プログラムオート F9 1/320 露出-0.7
由比は趣のある町並みや桜えび料理の店が続くが、今回はパスして駅へまっすぐ向かう。ここが意外に長かった。
10時35分 やっと由比駅に到着。
「桜えびの町」の駅前にはこんなゲート? が。ヒゲや足がリアル。左に見える三角の山の辺りから降りてきたのだ。
プログラムオート F7.1 1/320 露出+0.7

さすがに足は疲れたが、気候がよく、汗もあまりかかず、気持ちいいウオーキングだった。由比側より興津側からの方が楽かどうかは判断できないが、興津の町の道の分かりにくさと、暗い道を抜けて海が見えた時の感動、正面に富士山を眺めながら歩くことができるという点を考えれば、興津から行って正解だった。

由比は10月までは庵原郡由比町だったが、訪れた前日に静岡市に編入合併され、清水区になった。特にお祝いムードは感じなかったが、さった峠全体が静岡市になったことになる。
でも、例えば由比と興津を結ぶ路線バスはないどころか、両地区で運行しているバス会社も違い、人の流れが活発だとは思えない。何より「桜えびの町 由比」というブランドを捨てて、静岡市になってしまったのはもったいないと思う。
秋田の角館や大曲、宮城の古川や鳴子など、知名度のある地名をうまく残す方法はなかったのかと、市町村合併の話を聞く度に残念に思ってしまう。僕は“地理マニア”だが、地名は文化の1つだと思う。

バスのフリー乗車券のエリアと反対方向になるが、上り電車に乗る。
コメント (6)
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