たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

学生寮の記憶・その6

2022年03月15日 18時57分03秒 | M男のあの日あの頃(the good old days)

◯寮の食事事情
昭和30年代中頃、M男が、北陸の山村の親元を離れ、地方都市の学生寮に入寮し、生まれて初めて外で集団生活を始めた頃の話である。
入寮した翌日から、いよいよ、不安と緊張の内に寮生活スタートだったと思うが、まず第1に驚いたのは、寮の食事事情だったような気がする。寮と学校は、隣接していたため、M男等は、朝食、昼食、夕食共、基本、寮で食事をとっていたと思うが、ほとんど記憶曖昧になっている中で、朝食の記憶だけは、未だに脳裏に焼き付いている。古い木造に暗い食堂の朝食時間、調理場と食堂の境目の棚には、次々と、黄色のアルミ製容器に山盛りの温かいごはんと味噌汁が並べらたと思うが、おかずは無しだった。ご飯の隅に、タクワン2切れと、海苔の佃煮小さじ一杯程度が、ちょこんと乗っているだけという塩梅、これを各自、長テーブルに運び、食する分けだが、タクワン2切れと、海苔の佃煮小さじ1杯程度を、いかにチビチビ食べながら、ご飯の最後まで持たせるかを、常に考えながら食べたものだった。毎食、それが定番だったが、最初は、驚いたものの、人間馴れればそれが当たり前となり、空腹には、温かいご飯が食べられるだけで、有難いものだった。ただ、寮生の生活リズムはバラバラで、指定された朝食時間を随分過ぎてから、ノコノコ食堂に現れる者も多く、そんな連中は、冷たくなったご飯をかきこむしか無いのだった。昼食、夕食については、おかず1品位は、付いていたような気がするが、まるで思い出せない。おそらく、1日、3食の食費合計が、100数十円だったはずで、推して知るべしだが。

◯エッセン・飯盒炊爨
斯々然々、寮の三食は貧弱で、寮生は皆、常に腹を空かせていたものだったが、特に、夜中になるとたまらなくなり、ガスコンロ数台だけの寮の共同湯沸し場で、飯盒炊爨(はんごうすいさん)したりしたものだ。中には、先輩寮生が、バイト先等からもらってきた骨付き荒肉等を洗面器等で煮上げ、皆で突っついて腹を満たしていた者もいた。炊飯器も無し、鍋も無し、料理するような場所も無し、今のようなインスタントラーメン等も無し、貧乏学生の集団だった寮生とて、やたら外食したり、食料等を買うことも出来ず、M男にような農家出身の寮生に、たまたま実家から米や餅等が届くとたちまち、寄ってたかって食べていたものだった。そんな、山賊みたいな夜食をすることを先輩寮生達は、「エッセンする」と言っていたような気がする。ドイツ語で「食べる」「食事」の意味の言葉だが、なんともバンカラ風な行為で、登山、キャンプ気分である。先輩寮生から、飯盒炊爨のノウハウを教わったのも、そんな時だった気がする。中高年になってから、山歩き等をするようになったが、すでに飯盒炊爨しようという時代でも無くなっており、すっかり忘れてしまっていたが、学生寮生活の懐かしい思い出の1ページになっている。

(ネットから拝借した飯盒の写真)

ネットで調べてみると、
飯盒(はんごう)は、今でも、キャンプ等で使う人が有り、
通販でも安く売られているようだ。

(つづく)

 

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藤沢周平著 「長門守の陰謀」

2022年03月15日 14時36分17秒 | 読書記

図書館から借りていた、藤沢周平著 「長門守の陰謀」(立風書房)を 読み終えた。本書には、表題の「長門守の陰」の他、「夢ぞ見し」「春の雪」「夕べの光」「遠い少女の、短編時代小説5篇が収録されている。女性達の視線が深い市井物、下級武士物4篇、荘内藩に纏わる武家物1篇だが、いずれも短編にも拘らず、藤沢周平ならではの味わいの有る作品ばかりだ。エッセイ風の、「あとがき」にかえて、でも、作者の人物像がうかがえ、興味深い。


読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう爺さん、読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー「読書記」に 書き留め置くことにしている。


「夢ぞ見し」
主な登場人物・昌江、小寺甚兵衛、新之助、溝江啓四郎(繁之助・藩主)
イケメン好みの昌江が、兄新之助からすすめられて結婚した相手小寺甚兵衛は、どうみても冴えない男だった。禄高低い、帰りが遅い、無口、取り柄無し、不満だらけだったが、そこに美男子溝江啓四郎が同宿することになり・・・、そわそわ、うきうきする昌江、・・・ところが・・、実は・・、
家の中に入っても、まだ思い出し笑いをした。・・・・、それは、昌江がいま、十分しあわせな証拠かもしれなかった。

「春の雪」
主な登場人物・みさ、おたね、安蔵、徳蔵、作次郎、茂太、
みさと作次郎と茂太は、幼い頃一緒に遊んだ仲だった。みさは美人、作次郎は頭の切れ、人柄も抜群、茂太は、のろ、ぐず、泣き虫、それぞれ別れ別れになったが、紆余曲折の後、同じ材木屋橋本に勤めるようになったが・・・・、みさと作次郎、みさと茂太、女心が動く・・・、
「女って、不思議だな」、むしろ快活な口調でそう言うと、作次郎は手を上げて、じゃと言って背を向けた。・・・、「茂ちゃんとも、もうこれっきり会わないわ。なぜだか、わかるでしょ?」・・・雪はゆるやかに、しかしきれめなくみさのまわりに振り続けていた。・・・、

「夕べの光」
主な登場人物・おりん、幸助、六蔵(大家)、柳吉、新蔵、喜平(岡っ引き)、
おりんは、2回結婚しているが、共に夫と死別、前夫の連れ子幸助を育てることに必死で働いてきたが、幸助は、生みの親で無いことを誰かに吹き込まれ、万引等非行に走り、苦労が絶えないでいる。大家の六蔵の紹介で、表店の若旦那柳吉との縁談が持ち込まれるが・・・、
「幸助を背負って、夕ばえに照らされた田圃道を歩きながら、おりんはそう思った」
情景が、浮かんでくるラストシーンである。

「遠い少女」
主な登場人物・鶴蔵、おなみ、おこん、おまつ、音次(岡っ引き)、徳次郎、篠崎良助(南町奉行所定町廻り同心)、深見清左衛門、
12歳で小間物屋才賀屋に奉公した鶴蔵は、真面目一筋で働き、37歳で店を持ち、妻と子供もいる。45歳になり自らの人生を振り返り出した、そんな時、幼い頃、寺小屋で、1、2を争った美貌の少女が、近くのいかがわしい店で働いていることを知り、心が揺れる。迷った末、再会するが・・・・。25両・・・・、
「鶴蔵が言った時、襖の向こうで咳払いの音がして、旦那、そいつは考えものですぜ」・・・・、「もう一度遠い昔の少女の面影をさがしたが、見えなかった」

「長門守の陰謀」
主な登場人物・酒井長門守忠重(さかいながとのかみただしげ)、酒井九八郎忠広、高力喜兵衛(こうりききへい)、千賀主水(ちがもんど)、荘内藩藩主・酒井宮内大輔忠勝(さかいくないたゆうただかつ)、酒井摂津守忠当(さかいせっつのかみただまさ)、伊豆守松平信綱、
史実に有った、荘内藩最大の危機、藩内抗争、酒井長門守重忠の陰謀事件をドキュメンタリー風に描いた作品。物語の最後には、暴虐の限りを尽くした重忠が、孤立無援となり、4代藩主忠当からは義絶され、国を離れ、寂しく下総国市川村で老いて70歳を迎え、寂しく風景を眺める場面が有るが、藤沢周平ならではの美しい描写がある。そして、ある嵐の夜、二人の人影が忠重の家に近づいてきた。「何者だ!」・・・、その夜、長門守事件最後の幕が降りたという筋書きになっている。


「あとがき」にかえて 藤沢周平 (抜粋)

(前略)・・散歩には、疲れた足腰をのばすという効用のほかに、仕事部屋で鬱屈した気分を、戸外に、解きはなつ意味もあるので、言い方はおかしいが、バスで散歩に行っても悪いことはあるまい、と思う。しかし駅前まで行ってしまうと、やはり時間がかかる。そこで、やむを得ず家の近くを歩きまわることにとどめる。歩き回っても、べつに面白いところがあるわけではない。(中略)・・・、途中にある本屋をのぞき、レストランでコーヒーをのんで帰るだけである。(中略)・・・、小さな喫茶店は、私には人間関係が少しうるさく感じられるのである。よく見掛けることだが、こういうところには必ず常連といった人がいて、店の人と親しそうに話したり笑ったりしている。しかし、私が喫茶店に入るのは、コーヒーを飲みながら、ぼんやりと考えごとをするような時間が好きなためで、お喋りをしに行くわけではない。そこで黙ってコーヒーを飲んでいると、小さな喫茶店だと、時々、私だけが浮いた感じになる。すると、そういう私を気の毒に思うらしく、女主人が声をかけてきたりする。これもうっとうしいことである。などと書いていると、私も、結構うるさいのだな、という気がしてくる。かなり度しがたい偏屈な人間なので、こういう人は、レストランの隅で、小さくなってコーヒーでも飲ませてもらうしかないのである。(後略)

 


ニリンソウ(二輪草)

2022年03月15日 06時22分59秒 | 爺さんの備忘録的花図鑑

花にも疎い爺さん、ブログを始めた頃までは、我が家の庭に咲く花であろうが、道端、空き地、畑、川原等で蔓延っている野草であろうが、公園や植物園等で鑑賞出来る草木であろうが、山歩き中に撮った高山植物であろうが、見掛けても、花名も知らず、分からず、覚えられずで、ほとんど珍紛漢紛だった気がする。数多のブログを拝見するようになってから、その無知ぶりを痛感、初めて、花名等を知ろうという気になったものだったが、教えてもらっても、ネットや図鑑で自分で調べても そのそばから忘れてしまう老脳、出来る限り、ブログ・カテゴリー「爺さんの備忘録的花図鑑」に書き込むことで、少しづつだが、分かる草花が増えてきたように実感している。草花に詳しい人からは、「なーんだ、そんな花も知らなかったの?」と笑われそうだが、爺さんにとっては、新情報、新知識、「爺さんの備忘録的花図鑑」は、後日、また忘れてしまった時等に、確認したりするのに役に立つ存在になっている。

これまで撮ってきた写真が、外付けHDに大量に溜まってきており、時々、その気になって、不要無用写真を大胆に削除しながら、散歩、旅行、山行・・・等のファイルに仕訳分類整理を進めているところだが、懐かしい写真を見掛けると手が止まってしまい、そんな古い写真を引っ張り出して、ブログネタにしているという次第である。
ふっと、「ニリンソウ」の写真に目が止まった。

そう言えば、近年、毎年のように撮っており、今年もそろそろ開花する頃。「ニリンソウ」という花名は、かなり以前から知っており、なんとなく分かっているように思っていたが、やはり、実際に見て、「これが、ニリンソウ」と分かるようになったのは、つい最近になってからのことだ。「ニリンソウ」も、スプリング・エフェメラルのひとつ、「爺さんの備忘録的花図鑑」に書き留め置くことにする。

6年前、2016年4月9日、散歩・ウオーキングの途中で撮っていた「ニリンソウ」

2017年4月16日高尾山を訪れた時に撮っていた「ニリンソウ」

2017年4月21日、東京都の八王子城跡を訪れた時に撮っていた「ニリンソウ」

2018年4月5日、散歩・ウオーキングの途中で撮っていた「ニリンソウ」

2020年4月23日畑地の周りの草地で撮っていた「ニリンソウ」

2021年3月29日、散歩・ウオーキングの途中で撮っていた「ニリンソウ」


ニリンソウ(二輪草)

キンポウゲ科、イチリンソウ属、多年草、
    別名 「フクベラ」「ガショウソウ(鵝掌草)」
    和名「二輪草」は、一つの茎に、二輪の花を咲かせることから
    付けられた花名。ただし、一輪や三輪の花を咲かせることも有る。
原産地・分布 日本、朝鮮半島、中国東北部、サハリン、等 東アジア、
       日本では、北海道から九州まで、全国各地の山地、里山の
       落葉広葉樹林の林縁や林床で自生する、
草丈 10Cm~50Cm
   葉は、茎に輪生、3裂し、表面に白色の斑点が有る、
花色 白色
   白い花びらに見えるのは萼で、楕円形の萼5枚付ける、
開花時期 3月頃~6月頃
花言葉 「友情」「協力」「ずっと離れない」