「河童」所収。
芥川自身の私小説とみられ、母上のことが描かれている。
母上は狂人だったらしく、その狂人振りゆえに、芥川氏
も発狂を恐れるあまり、自殺に至ったらしい。
「点鬼簿」というのは、もともと死んだ人の名前を書いた
帳面のことらしいのだが、芥川の「初ちゃん」という姉の
ことである。そして、父、母、「初ちゃん」の三人が鬼籍の
人となり、墓参りをするが、芥川は墓参りは好きではない、
といっている。暗く陰鬱な作品である。
(鶴岡 卓哉)
「河童」所収。
芥川自身の私小説とみられ、母上のことが描かれている。
母上は狂人だったらしく、その狂人振りゆえに、芥川氏
も発狂を恐れるあまり、自殺に至ったらしい。
「点鬼簿」というのは、もともと死んだ人の名前を書いた
帳面のことらしいのだが、芥川の「初ちゃん」という姉の
ことである。そして、父、母、「初ちゃん」の三人が鬼籍の
人となり、墓参りをするが、芥川は墓参りは好きではない、
といっている。暗く陰鬱な作品である。
(鶴岡 卓哉)