集英社文庫
芥川先生、そんなことをマジメな顔をしておっしゃられては
こまるではないですか! と言いたくなる、河童(KAPPA)の
国に行ったという男の河童の話し。
芥川自身が描いたという「河童図」というものがある。どうやら
細身で髪らしきものもあり、口は尖っている。全身裸であるが、
河童にしたら、服を着ている人間の方がおかしいらしい。
なにやら、笑っているよにも見え、気味が悪く、ずる賢そうで
ある。
その河童の国のことがリアルに語られていく。芥川氏の頭の中
にはしっかりとした河童の国があるみたいなのだ、恐れ入るよ、
芥川先生……合掌。