安原和見・訳 河出文庫 1980年
ボクも細かいストーリー展開についてはよくわからんのだが、
大筋として、荒唐無稽なユーモアとか、ジョークのセンスを
感じた。アメリカ的と言えば、アメリカ的だが、ボクが読んだ
限り、それはこの小説の世界観として成立しているから、いろ
いろなことが受け入れることができるようだ。
ボクが一番、おもしろかったのは、太陽に宇宙船が突っ込んで
パ二くるところだが、その壮大さが、コメディとして描かれる
そのシュールさに打たれた。
アダムス氏は2001年に49歳で亡くなっている。二十代で
銀河ヒッチハイク・ガイドと続編のこれと二作品で世界的に
名を成したが、その後はあまりパッとしなかったという。
いやぁ、本を読むことに何を求めるかによって違うと思うが、
イメージの飛躍といい、脳細胞は活性化したと思う。
SFってすたれ気味だけど、すごくいいと思いますよ。……合掌。
(鶴岡 卓哉)