古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

雛     芥川龍之介

2021-01-13 03:55:20 | 小説の紹介

「河童」所収。

 

お雛様を売り飛ばす前に、もう一度だけ見てみたい、と

 

熱望するお鶴。

 

どうしても見たくて見たくて仕方がない。暴力があって、

 

苦痛に満ちている。ラストに、その願いは叶うのだが、

 

夢のようであった、と開放感に満ちている。

 

我々は希求するなにものかをもたなくてはならない。

 

求めざれば、なにもしえない。それは、突然、目の前に

 

現れ出でるだろう、という予感。

 

そこはかとない憂いと美しさを秘めた短編。

コメント
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