ハヤカワ文庫 ワールズ・オフ・イフ誌1955年
8月号
ヤンシーのモデルはアイゼンハワー大統領だという
ことらしい。ヤンシーという虚構のあたりさわりの
ない男をプロパガンダに利用し、民衆を無毒化する
という施策を阻むべく、シップリングは反旗を翻す。
極めて反骨的で、体制に反抗している。ボクはこ
ういう1984年的な作品は好きだ。ジョージ・オーウ
ェルの管理社会を示唆した作品だが、この作品は無
毒化するといったところが違う。もうそういう全体
主義さえ、気づかないままで今の日本が陥りつつある
現状を示唆しているようだ。テレビが考えるという
ことをしてくれるから、考えなくていい、というのに
似ていると思うのだが。……合掌。