文春文庫 1997年
「マイナー」な作家にもこんないいエッセイ風な作品を書く
人がいたんだ、と少々驚きをもっている。
スペインに日本に妻と子供を残し、単身、旅をしていく。なんて
悪いヤツ、それに、寿毛平らしい。なんともけしからんやつだ。
だから、おもしろい。スペインをこよなく愛し、ビジャルバに住
んでいる。
こういうさすらいの自分の居場所を探す系の本を読むと、必ず、ジ
ャック・ケルアックを思い出してしまう。ところどころに本人が
描いたのか、いい挿絵があった。本人は、残念なことに2008年に
亡くなっている。表現が追い付いていないところもあるが、53歳
という歳にしては瑞々しく描かれている。ぜんぜん、枯れていない。
あと、ぼくは二年ある、ぜんぜん、いけんじゃねえ、と勇気をくれた。
(読了日 2022年11・26 17:30)
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