古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

出口     吉行淳之介

2022-10-28 10:23:44 | 小説の紹介

「もの食う話」所収      「群像」昭和37年10月号

 

非常にエロティックである。うなぎ屋というモチーフも、

 

見張りの男はいるが、出入り自由なのだが、とらえられて

 

いるところといい、とても不思議な浮遊感というか、謎め

 

いた感じと、うなぎが折り重なって、ぬらぬらとしている

 

感じが、とてもエロくて、ユーモラスでさえある。

 

うなぎ屋の兄妹の夫婦という、門を閉め切って釘をうってし

 

まっていて、出前しか取らない、というところ。

 

とにかく、不思議に満ちている。

 

それらが、ひとつの作品に収められ、パッケージされてい

 

ることに、ひとつの吉行淳之介というひとの手腕を見ること

 

ができる。

 

父上はモダニズム作家の吉行エイスケ、妹に小説家の吉行

 

理恵、俳優の吉行和子。

 

結核の療養中に、芥川賞受賞を知った、とある。

 

遠藤周作、安岡章太郎らと共に「第三の新人」と呼ばれたと

 

いう。

 

      (読了日 2022年 10・16 0:40)

                     (鶴岡 卓哉)     


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