「河童」所収 集英社文庫 昭和二年七月
あの有名な「ただぼんやりした不安」である。僕が思うに
体調があまり芳しくなかったのではないか、と思う。
敗北に敗北して、最後、自殺に至ったというが、僕の所見
では、芥川は現代の状況を笑っているのでは、ほくそ笑んで
いるのでは、と思えてくる。芥川賞のことである。芥川と冠
された賞にこれほど注目を浴びていることは彼の勝利である。
彼の長いスパンをかけた計画のような気がしてくる。
芥川はすべてを知っていたのではないか、彼が文学の神となる
ことを。
自らが自死することで神へと昇華されることを望んでおったの
ではないか、と僕は妄想してしまったのだ。……合掌。
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