古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

或旧友へ送る手記     芥川龍之介

2021-03-01 07:26:33 | 小説の紹介

「河童」所収  集英社文庫  昭和二年七月

 

あの有名な「ただぼんやりした不安」である。僕が思うに

 

体調があまり芳しくなかったのではないか、と思う。

 

敗北に敗北して、最後、自殺に至ったというが、僕の所見

 

では、芥川は現代の状況を笑っているのでは、ほくそ笑んで

 

いるのでは、と思えてくる。芥川賞のことである。芥川と冠

 

された賞にこれほど注目を浴びていることは彼の勝利である。

 

彼の長いスパンをかけた計画のような気がしてくる。

 

芥川はすべてを知っていたのではないか、彼が文学の神となる

 

ことを。

 

自らが自死することで神へと昇華されることを望んでおったの

 

ではないか、と僕は妄想してしまったのだ。……合掌。 


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