映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ミッドナイトイーグル

2007年12月09日 | 映画(ま行)

まず、本を読もうと思って文庫本を買ってあったのですが、読むより先に、映画を見てしまいました。
まあ、ストーリーがわかっていて映画を見るのもつまらないですからね。

さて、よくあるパターンではありますが、まず、一人の失意の男が描かれる。
カメラマン、西崎。
彼は戦場の中でも垣間みえる安らぎや子供たちの笑顔、そういうものを撮って、名も知られていました。
しかし、あるとき目の前で爆撃され亡くなってしまった子供を見て、
カメラでは何の助けにもならないことに絶望してしまうのです。
日本に帰国し、失意のまま、山に入って引きこもってしまう。
そんな時、彼の妻は病に犯されていて、亡くなってしまう。
西崎は妻の不調にも気づくことができなかったことで、いっそうの自己嫌悪に陥り、生きる意欲もなくしてしまう。
そんな彼をなじる、妻の妹、慶子。
残された一人息子は彼女がひきとることに。

まあ、そんな前提がありまして、ある日彼は北アルプス山中で飛行機らしきものが墜落するのを目撃。
それは、米軍のステルス爆撃機ミッドナイトイーグルでなんと、核爆弾を搭載していた!
それをねらい起爆させようとする北朝鮮の工作員と、阻止しようとする自衛隊の戦闘が人知れず冬の山中で繰り広げられる。
その戦闘に巻き込まれる西崎と、新聞記者落合、というスペクタクル。

大沢たかおと玉木宏は、ほとんどずっと雪山の中でしたねー、ご苦労様です。
雪山の迷彩服は、白無垢でした・・・。
そんな中での銃の打ち合い。まったくしんどいです。

一方、街中で活躍するのは、西崎の妻の妹、週刊誌の記者である慶子。
山中の西崎と街の慶子を交互に描いていき、最後に無線で対話をする。
お互いの微妙な気持ちも織り交ぜつつ、というこのあたりが見所ですね。

さて、山中に最後に残ったのは、彼ら西崎・落合の二人と自衛隊員の佐伯。
この三人で核爆弾を守らなければならない。
せまりくる北朝鮮の武装工作員。

自己犠牲。
どうも安直な気がして、こんなラストはあまり望まなかったのですが、それでも泣かされてしまいましたねえ・・・。みごとに。

それにしても、あんなにたくさんの武装した某国の工作員というのは、どこから沸いてきたのでしょう?
あまりにも、ずさんな入国管理ですな。

自衛隊特殊部隊の佐伯。
彼は「私たちは軍隊ではない。自衛隊だ。」と、あまりにもきっぱりと言ってのける。
う~む。それでいいのか・・・と思わなくもないのですが。
ところで、この人が、なんだか見たことがある、
さて誰だったっけ???と思いつつ、最後までわからなかった。
エンディングロールをみて、あ~!?吉田栄作!! 
ちょっと、意表を突かれた感じ。(つまり予習不足なんですけどね・・・)
いえ、これは、私だけでなく、結構周りの人もそこで驚いていました。
そうでしたか、あの、ハンサム(イケメンという言葉がまだない時代じゃないですか!)かつ、好感度抜群の青年が、こんな風になっていましたか。
お久しぶり~。
彼の出演シーンもすべて雪山の中で、終始帽子とフードに顔が覆われていまして、もっとじっくり全身像が見たかったと思います・・・。


2007年/日本・アメリカ/131分
監督:成島 出
出演:大沢たかお、竹内結子、玉木宏、吉田栄作
「ミッドナイトイーグル」公式サイト