映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

魍魎の匣

2007年12月28日 | 映画(ま行)

京極夏彦原作のこのシリーズは、私も大好きなんですが、実は前作の映画はみていません。
キャストを見てもなんだか本のイメージと違いそうだし、それで失望するのもイヤだと思ったので・・・。
でも今回は、好奇心を抑えきれず、見てしまいました。
イメージの違うところは確かにありますが、でもそこそこ楽しめたかな、と。

京極堂の堤真一はなかなかいいです。
確かにこんな感じ。
でも、堤真一のほうが割とコミカルでチャーミングな感じ。
それはそれで、いいなあと思いました。

舞台は1952年。
昭和20年代後半の日本。
さすがに私もまだ生まれていない。(別に威張ることじゃない)
でも、近いことは確か。
東京の町並みでも、なんだかとても懐かしい感じがする。
これは今の日本ではやはり再現は難しいということで、上海ロケをしたそうです。
日本ではもう失われた風景・・・。

さて、そこはやはりミステリなので、おどろおどろしい事件が発生。
美少女連続殺人。
箱の中にみっしりと詰まった少女のものと思われる切り取られた、腕や脚・・・・。
人気の美人女優とその娘。
戦前からある、丘の上の四角い箱のような怪しげな研究所。
箱に魍魎を封じ込めるという胡散臭い宗教。
才気走った作家。
これらがぱらぱらと登場し、謎を投げかけるけれど、最後にはぴたりと収束。
この辺が京極夏彦の真骨頂なのです。
しかし、2時間ばかりのこの映画で、しっかり関係を皆さん把握できるのでしょうか?
私は本を読んでいてなお、きちんとわかっていない気がする・・・。
ま、いいいか、って感じですかね。
雰囲気ですね、要は・・・。(そうなのか?)

箱型の研究所が崩れ去る、意外にもスペクタクルの展開。
京極堂と関口はいったいどうやって助かったんだか・・・?

「この世には不思議なことなど何もない。」
そう言い切る京極堂。
さて、関連不明のこれらの謎をどう解きますか?!

怖ろしく、気味悪く、そしてなんだかちょっぴりおかしくもあり、結構いい味に仕上がっていると思いました。

この感じで、まだ続編ができそうですね・・・。
病み付きになるかも・・・。

2007年/日本/133分
監督:原田眞人
出演:堤真一、阿部寛、椎名桔平、田中麗奈
「魍魎の匣」公式サイト

しばらくこの後は毎日更新できそうかな・・・?
きゃ~、まだ年賀状出してません!
それどころじゃないか・・・。