えーと、こんちわ。
アレ、これってシリアスな話じゃなかったんですか?
いえ、意外と突っ込みどころ満載なんで出てきました。お相手しますよ~。
はじめの方はいいんですよ。
無人、廃墟のニューヨーク、マンハッタン。
アスファルトには草が生えていて。
ニューヨークを走り回る鹿の群れ・・・なんてシュールな・・・。
その町にただ一人と一匹、軍人かつ科学者のネビルとその愛犬サムがいる。
設定は2012年。人間が作り出したウイルスが暴走し、人類は死滅。
ただひとり、生き残ったネビル、という設定だね。
この廃墟の中での孤独な日常を描いているあたりは、とてもよかった。
ビデオショップにマネキンを配置して、会話をしてみたり、
戦艦の上でゴルフをしてみたり・・・、
まだ生きているかも知れない誰かに向かって、無線で呼びかけたり。
こんな中では、愛犬が唯一の友であり、安らぎでもある。
いいよねえ、賢そうなワンコ・・・、シェパードもいいもんだなあと思いましたね。これがチワワだったら、笑っちゃうもんね。
まあそれはともかく、このあたりが、まさに「伝説」の前触れとしては申し分なく、なんだか、わくわくさせられるのです。
さて、しか~し!!
そこに登場するのは、ウイルスで変わり果てた姿となった人間たち。
ダーク・シーカーズといっていたね。凶暴で、人と見ると牙をむいて襲い掛かる。これがまた、並み以上の体力、敏捷性を身につけている。しかし知能は低下・・・と。
これがね、日の光が苦手で、夜な夜なうじゃうじゃと這い出てくる。
せっかくいいムードの映画なのに、ここからただのホラーというか、バイオハザードじゃん。
いや、もともとそういうストーリーなんだから、そこに文句をつけてもしょうがない。
それにしても、始めがあまりにいいから、残念なんだよ。この際、原作を無視して、もっと納得できる進展にできなかったのかなあ・・・。
ラストも、これで終わり?っていうあっけなさだったね。
さて、しかし、見終わってみればいろんな疑問がうじゃうじゃ湧き出てくるんだな。
まず、こんな無人と化した街でライフラインは機能するのだろうか?
普通に、電気もガスも水も使ってたよね。
うん・・・しばらくは大丈夫でも、何年もは無理のような気がするね。
ぼちぼち草は生えてるけど、鹿の群れが来るほど食べ物が豊富とも思えないなあ。
トウモロコシを作ってたけど、あんなのすぐ食べられちゃうよ。
とりあえず、どこの家でも店でも入り放題なんだから、食べ物には困らなさそうだけど。
問題は、あの、ゾンビたちがどうやって生きてたのかってことで・・・。
やっぱり彼らも人のうちの冷蔵庫とか戸棚をあさってたとか?
ゾンビがソーセージ食ってたら、笑えるでしょ。
やっぱり、鹿を食ってたのか・・・。あの敏捷性なら、鹿もやられるね・・・。
彼ら、群れを作っているのは、社会性はあるんだよね。共食いはしないらしい。生きる糧は他にありそうなのに、たった、一人のために、あんな襲撃をかけてくるのはどうもわりに合わないというか、納得いかないねえ。
マネキン動かしたのは彼らなんだよね。結構知能もあるじゃん。どういう生態なんだ、いったい。
それから、生き残ってたのが女性と子供。
いったい、どうやって今まで生きてたのさ。車の中だって、家の中だってあんな襲われ方したら、ひとたまりもないよ。まったく、唐突すぎ。
竜頭蛇尾。そういうこと。
リチャード・マシスン作「地球最後の男」の三度目の映画化だそうですよ。前の作はどうだったんでしょうね。
うーん、あんまり、期待はできないかも。でも、興味はありますね。
2007年/アメリカ/100分
監督:フランシス・ローレンス
出演:ウィル・スミス、サリー・リチャードソン、アリス・ブラガ