ジェシカが立ち会うそれぞれの人生の再生
* * * * * * * *
パリのモンテーニュ通りに実在するカフェが舞台です。
付近にコンサートのホール、演劇の舞台、美術品のギャラリー、
高級ホテル、有名メゾンに四つ星レストラン・・・。
まさにパリを象徴するような芸術と文化とセレブの香りが漂う、この近辺。
それらに関わる様々な人たちが、このカフェにやってきます。
ジェシカはふらりとこの街にやってきて、人手不足のこのカフェに職を得ます。
TVの人気女優、有名ピアニスト、美術収集家。
ジェシカが見かけたお客のこの人たちは、一見誰もが羨む位置にいます。
それぞれの第一線で成功を収め、光り輝いているように見える。
けれども実際は、それぞれが行き詰まりを感じ、悶々とした思いでいるのですね。
まもなく、盛り上がりの夜が訪れます。
女優の舞台初日。
ピアノのコンサート。
美術収集家のコレクションを全て売り払うオークション。
そしてそれはまた、劇場の管理人の退職の日でもある。
それぞれのここ数日の鬱屈した思いに、答えが出ます。
特にジェシカが大きな役割をするというわけではありません。
いうなれば、ジェシカはそれぞれの立会人。
彼らが出す結論は、それも人生大逆転などという派手なものではないのです。
彼らの静かな再生を温かなまなざしで見つめる、そういう作品です。
この、ジェシカ(セシル・ドゥ・フランス)がいいですね。
男の子並みのショートヘアに好奇心たっぷりのまなざし。
思い切りがよくてかわいらしい。
全体に静かでシックなトーンの中に、活気があってきらりと光る。
まさにパリの雰囲気に満ちていまして、魅せられます。
ピアニストが好きでしたね。
コンサートはベートーヴェン、ピアノ協奏曲5番「皇帝」。
この曲、大好きなんです。
得した気分。
ピアニストは、曲の途中で演奏を中断し、言うのです。
「皆さん、暑くありませんか。私は暑くてたまらない。ちょっと失礼。・・・」
そして、タキシードを脱ぎ、蝶ネクタイをはずし、
ワイシャツまで脱ぎ捨てて、
下着のシャツ一枚になって演奏再会。
戸惑い、あきれていた観衆も、最後にはスタンディング・オベーション。
クラシックコンサートなんて、気取ったお金持ちのアクセサリにしか過ぎない。
彼はもっと生活に根ざした、
ごく普通の人たちに楽しんでもらう音楽をやりたい・・・。
そういう思いの結果だったのでしょう。
ふっと吹っ切れる瞬間。
私たちは、この作品でこういうところをいくつか目撃するのです。
まるで、ジェシカの魔法のようです。
このジェシカのおばあさん役、シュザンヌ・フロンという方は、
この作品の撮影直後に逝去されたそうです。
でも、こんなステキな作品が最後というのはちょっぴり幸せですね。
2006年/フランス/106分
監督:ダニエル・トンプソン
脚本:ダニエル・トンプソン、クリストファー・トンプソン
出演:セシル・ドゥ・フランス、バレリー・ルメルシエ、アルベール・デュポンテル、クロード・グラッスール
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パリのモンテーニュ通りに実在するカフェが舞台です。
付近にコンサートのホール、演劇の舞台、美術品のギャラリー、
高級ホテル、有名メゾンに四つ星レストラン・・・。
まさにパリを象徴するような芸術と文化とセレブの香りが漂う、この近辺。
それらに関わる様々な人たちが、このカフェにやってきます。
ジェシカはふらりとこの街にやってきて、人手不足のこのカフェに職を得ます。
TVの人気女優、有名ピアニスト、美術収集家。
ジェシカが見かけたお客のこの人たちは、一見誰もが羨む位置にいます。
それぞれの第一線で成功を収め、光り輝いているように見える。
けれども実際は、それぞれが行き詰まりを感じ、悶々とした思いでいるのですね。
まもなく、盛り上がりの夜が訪れます。
女優の舞台初日。
ピアノのコンサート。
美術収集家のコレクションを全て売り払うオークション。
そしてそれはまた、劇場の管理人の退職の日でもある。
それぞれのここ数日の鬱屈した思いに、答えが出ます。
特にジェシカが大きな役割をするというわけではありません。
いうなれば、ジェシカはそれぞれの立会人。
彼らが出す結論は、それも人生大逆転などという派手なものではないのです。
彼らの静かな再生を温かなまなざしで見つめる、そういう作品です。
この、ジェシカ(セシル・ドゥ・フランス)がいいですね。
男の子並みのショートヘアに好奇心たっぷりのまなざし。
思い切りがよくてかわいらしい。
全体に静かでシックなトーンの中に、活気があってきらりと光る。
まさにパリの雰囲気に満ちていまして、魅せられます。
ピアニストが好きでしたね。
コンサートはベートーヴェン、ピアノ協奏曲5番「皇帝」。
この曲、大好きなんです。
得した気分。
ピアニストは、曲の途中で演奏を中断し、言うのです。
「皆さん、暑くありませんか。私は暑くてたまらない。ちょっと失礼。・・・」
そして、タキシードを脱ぎ、蝶ネクタイをはずし、
ワイシャツまで脱ぎ捨てて、
下着のシャツ一枚になって演奏再会。
戸惑い、あきれていた観衆も、最後にはスタンディング・オベーション。
クラシックコンサートなんて、気取ったお金持ちのアクセサリにしか過ぎない。
彼はもっと生活に根ざした、
ごく普通の人たちに楽しんでもらう音楽をやりたい・・・。
そういう思いの結果だったのでしょう。
ふっと吹っ切れる瞬間。
私たちは、この作品でこういうところをいくつか目撃するのです。
まるで、ジェシカの魔法のようです。
このジェシカのおばあさん役、シュザンヌ・フロンという方は、
この作品の撮影直後に逝去されたそうです。
でも、こんなステキな作品が最後というのはちょっぴり幸せですね。
2006年/フランス/106分
監督:ダニエル・トンプソン
脚本:ダニエル・トンプソン、クリストファー・トンプソン
出演:セシル・ドゥ・フランス、バレリー・ルメルシエ、アルベール・デュポンテル、クロード・グラッスール
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