![]() | 思い出を切りぬくとき (河出文庫)萩尾 望都河出書房新社このアイテムの詳細を見る |
萩尾望都のエッセイ!と思って、飛びついて購入したのですが、
これが結構年代モノ。
1970年代後半、著者が20代後半の頃に書かれたもの。
現在の彼女自身が
「若いというか者知らずというか幼いというか
ピリピリイライラしてるというか、困ったものです。」
と評しています。
そんなことない・・・といいたいところですが、
確かにそう思えてしまいました。
スミマセン・・・・・・・。
でも、これがちょうど『ポーの一族』で、一躍人気を博した頃のこと。
やはり、興味はありますね。
この文庫の発刊が、萩尾望都漫画家生活40周年記念と歌われていますので、
まあ、著者の歴史を感じることができれば、
それでよし、ということにしましょう。
ちょっと興味を引いた部分・・・
"ストーリー作りのポイントとは---"
私、文章を書くのは好きで、だから実際小説家にあこがれたこともありますが、
やはり無理と思ったのは、とにかくストーリーを作ることができない。
そういうイマジネーションがちっとも湧き出さない、ということからでした。
で、この本の中で、ちょっぴりストーリー作りのポイントにふれたところがあるんです。
それは、『対立するものをとらえる』ということ。
例えば、
☆ある女の子が男の人に恋をしている。
この事項と対立するものは・・・?
★男の人には好きな女の人がいる。
★相手が年下でまだ子供。
★相手がすごい年上、妻子がいる。
★結婚のお金がない。・・・・・等等。
では次に、これらの対立する事項は、どうやって消去、開放されるのか。
◆男の人が女の子を好きになる。
◆相手が成長するまで待つ。
◆相手が離婚する。
◆大金が手に入る・・・・・・・
このような大筋を膨らませていけばいい。
なるほど、ストーリーとはこうやってつくるものだったのか。
それをもっと早く知っていれば・・・!
それから、こんな話もあります。
"私をびっくりさせた映画『第三の男』"
著者は、映画「第三の男」のかの有名な観覧車のシーンをみたときに、
ただ、ビックリ仰天したというのです。
それが、一体何にそんなに驚いたのか自分でも良く若からなかったけれど、
後に考えるには、
その「画面構図の美しさ」に感動したようだ・・・というのですね。
この作品、私も見たことはあり、古い作品ではありますが、
素晴らしい作品でした。
・・・といいつつ、例によってかなり昔のことなので、
ストーリーをあまり良く覚えていない。
今度、きっと観ます!
満足度★★★☆☆