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40年を駆け抜けた「時をかける少女」
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アニメ作品です。
実は、このストーリーには思い入れがあるんですよねー。
筒井康隆の原作の方ですが。
私が出会ったのは、ジュニア向けSFとして出版されていたシリーズのうちの一冊。
これが私の中学時代なんですよ。
・・・とすると、これは40年も前の作品ということになります。
意外でしょう。
ずっと昔から、テレビ番組になったり、映画になったり、
この様にアニメ化されたりと、
多くの人に愛されてきたストーリーなんですね。
その当時この物語には、すごくドキドキさせられて、夢中になってしまいました。
時間を旅するということの不思議と、等身大の女の子のロマンと、
まさにオンナノコを魅了する題材でしたね。
この原作中、少女がタイムリープするきっかけとなるのは、
ラベンダーの香りでした。
文中、北海道の富良野にラベンダーを栽培しているところがある・・・、
というような記述があります。
今でこそ、富良野のラベンダーは北海道の観光の大きな目玉なんですが、
当時は細々とやっていたんですよね。
当時は私も、へ~、と思ったくらいでした。
さてさて、思い出話は置いておきまして、この作品。
かなり原作から離れています。
原作の面影があるのは、
少女がタイムリープのきっかけをつかむのが、放課後の理科準備室であること。
そしてこのことに深く関与しているのは、未来からやってきた少年で、
いつの間にか転校生として、まぎれこんでいる。
さらにこの二人の間に、ほのかな思いが芽生える
・・・と、こんなところでしょうか。
なるほど。
このエッセンスが入ってさえいれば、
「時をかける少女」は成立するわけなのです。
もっともっと、いろいろなバリエーションが作れそうではありませんか。
この作品は、とにかく少女マンガですよね・・・。
女子高生真琴は、始め、
タイムリープ能力をお気楽に自分の都合のいいようにだけ使って楽しんでいました。
けれども次第に、行動原理が、「恋愛」中心になってくる。
とはいっても、仲良し3人グループが壊れないように、
わざと告白の機会をつぶしてしまう・・・というような、
かわいらしいものではありますが。
人の恋には積極的。
しかし、自分の恋にはとんでもなく臆病。
そんな真琴の性格が、私たちの共感を呼びます。
また、自分の都合のいいようにだけことを運んでゆくと、
その裏で嫌な思いをする人が必ず出てくる・・・、
そのような気づきをしながら成長してゆく、女の子のストーリーでもあります。
ここに登場する魔女オバサン(真琴の叔母・・・オバサンとはいえ、まだ若く独身)が、
ぴりりとストーリーを引き締めています。
さわやかな感動。
欲を言えば、もう少し時間旅行の不思議というか、
パラドックスめいた部分があればよかったのかなあ・・・と。
それと、タイムリープの着地のたびにあちこち転がりまくるのは
あまりにも大変そうだ・・・。
2006年/日本/104分
監督:細田守
原作:筒井康隆
脚本:奥寺佐渡子
時をかける少女(劇場予告)