まほろ駅前番外地三浦 しをん文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
さて続きです。
相変わらず、多田の事務所に居候している行天。
この2人のところに高校の同窓会の通知が舞い込んだ。
行く気がなかった多田ですが、商売の宣伝になるかも・・・と思い直し行ってみる気に。
ついでに行天も誘えば、彼は完全拒否!
このことで、険悪になってしまう2人。
・・・とこのようなゆるーいストーリー運びを背景に、
今回は、前巻で出てきた様々な人たちが主役のミニストーリー集になっています。
星、曽根田のばあちゃん、由良、岡老婦人。
戦後まもなく、若かりし頃の曽根田のばあちゃんのロマンス。
いいですねえ。
柳沢教授の「青年篇」を見るような感じでしたね。
今とは別人のようにきれいで青春ど真ん中・・・。
古いセピア色の写真を見るような。
誰もがこうして年をとるんですねえ。
由良少年の冒険もいいですよ。
心ならずも行天に引き回される由良君の一日。
相変わらず行天はホンモノの少年よりも子供のよう。
私は少年の出てくるストーリーがやっぱり好きなんですよ~。
ここのストーリーを見ているうちに、また少し行天の奇行が見えてきて、
そしてその根っこを知りたくなる。
彼の抱えるトラウマは決して解消されてはいないのです。
どうもこの本を見る限り、まだ語り尽くされない部分があるようで、
続きがありそうな感じですね・・・。
密かに期待していよう。
ただ一つ不満なのは、この本のカバー写真。
前巻ではリンゴがタバコをくわえている。
今巻では急須がタバコを・・・。
意図はわかりますよ。
多田・行天コンビはタバコ好き。
私は別に嫌煙権論者ではありませんが、
リンゴとか急須とか、「食べ物に関連するものとタバコ」の構図がどうも気になっちゃうのです。
私としては、これがどうにも残念。
まあとにかく、内容は問題ありません!
ただし、前巻から先に読む方がいいと思います。
満足度★★★★★