映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ミラーズ

2010年01月13日 | 映画(ま行)
鏡の中から誰かがあなたを見つめている



          * * * * * * * *

もと刑事のベンは、火災で廃屋と化したデパートの夜警として勤めることになりました。
非常に大きな火災で、死者も多数出たというその場所。
あたりには、焼け焦げたマネキンなどがまだのこっている。
そこを夜一人で廻るのはただでさえ薄気味悪く怖いのですが、
ホールになぜか焼け残った巨大な鏡があって、
夜中にその前を通るのは、かなり不気味。
あるとき、その中にベンは焼けただれていく人々の像を見る。
鏡に意志があるのか、それとも鏡の向こう側にいる何物かの意志なのか・・・。
原因不明の死亡事故が起き、やがてそれはベンの家族にまで影響を及ぼしてゆく。


キーファー・サザーランドが、果敢に鏡の悪意あるメッセージの謎を読み取り、
行動してゆくサスペンスホラー。
この作品は韓国映画「Mirror 鏡の中」のリメイク。
モトのものの方が怖そうな気がしますが・・・。


ここでは鏡だけでなく、水面や窓ガラス、
あらゆる鏡面が怪しい世界と通じています。

あなたが鏡に向かって身繕いをする。
その鏡から離れたときに、あなたの顔がそこに残っていて、
じっとあなたを見つめている。
・・・うう、怖いです。
鏡の中の自分が勝手に動き出し、自分を傷つければ、
現実の自分は何もしないのに傷がついていく。
こんな殺人方法は、初めてですねえ・・・。


子供の頃、手鏡を目のすぐ下に持ってきてよく遊びました。
天井が写っています。
そのまま、立ち上がって歩いてみる。
まるで天井を逆立ちして歩いているような、不思議な感覚。
非日常のスリル。
鏡の中には、何か理解しがたい不思議な世界がある・・・。
そしてまた、鏡にまつわる怪談って多いですよね。
なにかしら、そのような刷り込みが私の中にあって、夜の鏡は苦手・・・。
そんなところへ持って、このストーリーを観てしまったので、
またちょっと、鏡をのぞくのが怖くなってしまいました。


このデパートは、それ以前は病院であったという設定がまた怖くて、
けれどつまり、
この怪異はそのあたりに原因があるということなんですね・・・。
ラスト、ベンがとにかく生還を遂げたと思ったのですが、
そこで私たちは思いがけなくまた大きな謎の世界に投げ出されます。
くわばらくわばら・・・。

2008年/アメリカ
監督:アレキサンドル・アジャ
出演:キーファー・サザーランド、ポーラ・パットン、エイミー・スマート


ミラーズ (完全版) [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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