映画と本の『たんぽぽ館』

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ヴィクトリア女王/世紀の愛

2010年01月16日 | 映画(は行)
輝かしいヴィクトリア朝の歴史の中で



            * * * * * * * *

1837年にイングランド女王に即位したヴィクトリア女王。
その若き日々を描いた作品です。
それから1901年に彼女が亡くなるまでは、ヴィクトリア朝とよばれ、
イギリスが世界に向けてその国力を最も発揮した時代といえるでしょう。
ベルギー王の甥であり、彼女のいとこでもあるアルバートは、
叔父の命によりヴィクトリアの夫の座を狙って接近するのですが、
出会うなり真の愛情に目覚めることになる。



誰もがあこがれる王位ではありながら、
母親との確執、政治家とのかけ引きなど周囲の重圧にくじけそうになることも・・・。
そのようなものから彼女を守ろうとするアルバートは、
その姿形同様にハートもかっこいいのでした・・・。
落ち着いた色調の美しい映画ですが、
私はアルバートの魅力以外にはさほど感動・・・と言うべきところがなかったような。





むしろ私はこの時代に興味があります。
産業革命による経済の発展、その成熟期。
資本家と労働者、その階層がくっきりと分かれた時代であったでしょう。
イギリスがアフリカやアジアに植民地をどんどん広げていった時代でもあります。
議会政治と王制が平行しているのは今も同じですが、
現代への歴史につながる多くの要素を持つこの頃のイギリス。
もっと庶民からの視点のヴィクトリア女王ストーリーを見たかったですね。


ちなみにこの時期のトピックス・・・
1851年 ロンドン万国博覧会
1859年 ダーウィン 種の起源説 発表
1888年 切り裂きジャック事件

この頃活躍した作家・・・
コナン・ドイル、オスカー・ワイルド、
ルイス・キャロル、
シャーロット・ブロンテ、エミリー・ブロンテ

なんだか身近なものばかりで親しみがわきますね。
日本だと明治維新前後・・・。
今また人気上昇中の坂本龍馬が1836年生まれなので、同年代を生きていたということか。

脱線しすぎでごめんなさい。
今回はヴィクトリアの人生よりも歴史にロマンを感じてしまいました。


2009年/イギリス・アメリカ/100分
監督:ジャン・マルク・バレ
制作:マーティン・スコセッシ
出演:エミリー・ブラント、ルパート・フレンド、ポール・ベタニー、ミランダ・リチャードソン