映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

それでも恋するバルセロナ

2010年01月18日 | 映画(さ行)
サルでも恋するバルセロナ・・・?!



              * * * * * * * *

夏のバカンスでバルセロナを訪れた
クリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)とビッキー(レベッカ・ホール)。
クリスティーナは自由奔放、危険な恋を求めるタイプ。
一方ビッキーは、良識的で、安定した恋を求めるタイプで、すでに婚約者もいる。
こんな二人がバルセロナで出会ったのは、
危険な香りのするセクシーな画家、フアン・アントニオ(ハビエル・バルデム)。
クリスティーナはともかく、ビッキーまでもがずるずると彼に惹かれてゆくのですが、
そこに現れたのが、彼の元妻マリア・エレーナ(ペネロペ・クルス)。
三角やら四角やら、わからぬほどに恋の糸はもつれにもつれて・・・。
色恋沙汰の苦みや渋みをウッディ・アレンが軽やかに描き出します。



これは下手をするとどろどろになりそうなところですが、軽いのがいいんです。
所詮色恋沙汰、人生の彩り。
大いに恋しなさい。
・・・というのはまさにこの作品中のフアン・アントニオの信条のようにも思えます。
全く節操が無いのですが、
ここまで突き抜けると、まあ、これもいいかという気になってしまいますね。
通常のモラルなど、吹き飛んでしまいそう・・・。
まあ、だからといって現実は現実。
第一そう簡単に、危険な恋のネタなど転がっていそうにありません。
けれど、ちょっぴりあこがれたりはしないわけでもないかな・・・?
そういう女心をうまくくすぐっている訳ですね。


さて、ハビエル・バルデム、恐るべしです・・・。
あの「ノーカントリー」の殺し屋役から、どうしてこの役を想像できるでしょう・・・。
確かに、危険な香りのセクシー男・・・。
同一人物とは思いがたい。
俳優ってすごいですね。
そして、この作品ではペネロペ・クルスがなんといっても光っています。
この情熱の人には思わず目が吸い付けられてしまう。
彼女と比べると、スカーレット・ヨハンソンすらかすんでしまい、
彼女が自由奔放な女性などには見えなくなってくる。



皆さん、黒髪は結構セールス・ポイントですよ!
豪華キャストというのは、俳優にとってはリスクが大きいですね。
下手をすると誰かに食われてしまう・・・。


夏。バカンス。バルセロナ。
この舞台が、誘惑の危険な香りをたっぷり醸し出しているのでした。
誰もが恋に落ちてしまいそう。

2008年/アメリカ・スペイン/96分
監督・脚本:ウッディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、レベッカ・ホール



それでも恋するバルセロナ [DVD]

角川エンタテインメント

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