欲望の迷宮へようこそ!
* * * * * * * *
ファンタスティックでありながら、どことなく怖いお話ですね。
人々の心の奥底の欲望を形にするという魔法の鏡“イマジナリウム”。
パルナサス博士は、この鏡を出し物にして旅の一座を組んでいます。
しかし気がかりなのは、
一人娘ヴァレンティナを16歳の誕生日に悪魔に引き渡さなければならないこと。
誕生日まであと3日というときに、トニーという男が一座に加わり、
博士は悪魔と最後の賭をすることに・・・。
何しろストーリーは二の次。
ヒース・レジャーの遺作、ということに惹かれて観たのですね。
この作品の制作中に亡くなったヒース・レジャー。
それで撮影は続行不能になってしまった訳ですが、
ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルという豪華絢爛の助っ人が、
トニー役ヒース・レジャーの後を引き継いだということです。
現実世界のトニーが、ヒース・レジャー。
鏡の向こうの世界のトニーが3人順繰りで出てきます。
それぞれ実に楽しそうで、のびのび演技している感じで、なんだかいいんですよ。
自分の望み、欲望・・・そんな物が形に表された迷宮。
へんてこりんでファンタスティックで夢のような、それぞれの風景。映像。
とても楽しめました。
もっといろいろな人の鏡の中の風景を見てみたかったなあ・・・。
でもそれは、その人の理想の世界かもしれないけれど、
自分の欲望をまざまざと見つめることでもあり、ちょっと怖くないでしょうか・・・?
私だったら、おいしいご馳走やお酒が並んでいたり、
なんてくらいならまだかわいいですが、
お金や宝石の山があったり、ドレスの並木道があったりしたら、ちょっと救いようがない・・・。
それでいうと、トニーは実はとても後ろ暗い本性を持ちながら、
雲に届きそうなたかーい竹馬で、歩くことが一番の幸せ、これが自分の望みだ
・・・と感じるあたり、意外にもすごくピュアだったりするわけです。
そういえば始めの方のクラゲがふわふわしてたのもよかった。
アニメの世界に紛れ込んだみたいな、あの浮遊感もなかなかいいです。
このストーリーは舞台は現代のロンドンなんですよね。
始め、この一座の馬車が出てきたので、ビクトリア朝?と思ってしまいましたが・・・。
博士は1000年も生きているので、感覚が時代遅れで古風なんですよ・・・。
それでこの神秘的かつ本物のミラクルがアピール出来ずに、食い詰めて行き倒れ寸前、
・・・などという皮肉めいた部分もいい。
そこをトニーが現代風にアレンジして、人を集めるようになっていく。
悪人なんだか、善人なんだか、とりとめのないヒース・レジャー。
この「鏡」というよりは「万華鏡」みたいな世界に、よくマッチしています。
なにより彼がなんだか楽しそうで、これが遺作でよかったなあ・・・と思います。
「ダークナイト」の「ジョーカー」は独壇場ですばらしかったですが、
ちょっとつらい感じがする。
このいたずらめいた夢のようなイマジネーション。
そして、図らずも友情共演となった豪華メンバー。
まさに花道を飾りました。
なんだか記念に手元に置いておきたい感じのする作品・・・。
2009年/イギリス・カナダ/124分
監督:テリー・ギリアム
出演:ヒース・レジャー、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル、リリー・コール
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ファンタスティックでありながら、どことなく怖いお話ですね。
人々の心の奥底の欲望を形にするという魔法の鏡“イマジナリウム”。
パルナサス博士は、この鏡を出し物にして旅の一座を組んでいます。
しかし気がかりなのは、
一人娘ヴァレンティナを16歳の誕生日に悪魔に引き渡さなければならないこと。
誕生日まであと3日というときに、トニーという男が一座に加わり、
博士は悪魔と最後の賭をすることに・・・。
何しろストーリーは二の次。
ヒース・レジャーの遺作、ということに惹かれて観たのですね。
この作品の制作中に亡くなったヒース・レジャー。
それで撮影は続行不能になってしまった訳ですが、
ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルという豪華絢爛の助っ人が、
トニー役ヒース・レジャーの後を引き継いだということです。
現実世界のトニーが、ヒース・レジャー。
鏡の向こうの世界のトニーが3人順繰りで出てきます。
それぞれ実に楽しそうで、のびのび演技している感じで、なんだかいいんですよ。
自分の望み、欲望・・・そんな物が形に表された迷宮。
へんてこりんでファンタスティックで夢のような、それぞれの風景。映像。
とても楽しめました。
もっといろいろな人の鏡の中の風景を見てみたかったなあ・・・。
でもそれは、その人の理想の世界かもしれないけれど、
自分の欲望をまざまざと見つめることでもあり、ちょっと怖くないでしょうか・・・?
私だったら、おいしいご馳走やお酒が並んでいたり、
なんてくらいならまだかわいいですが、
お金や宝石の山があったり、ドレスの並木道があったりしたら、ちょっと救いようがない・・・。
それでいうと、トニーは実はとても後ろ暗い本性を持ちながら、
雲に届きそうなたかーい竹馬で、歩くことが一番の幸せ、これが自分の望みだ
・・・と感じるあたり、意外にもすごくピュアだったりするわけです。
そういえば始めの方のクラゲがふわふわしてたのもよかった。
アニメの世界に紛れ込んだみたいな、あの浮遊感もなかなかいいです。
このストーリーは舞台は現代のロンドンなんですよね。
始め、この一座の馬車が出てきたので、ビクトリア朝?と思ってしまいましたが・・・。
博士は1000年も生きているので、感覚が時代遅れで古風なんですよ・・・。
それでこの神秘的かつ本物のミラクルがアピール出来ずに、食い詰めて行き倒れ寸前、
・・・などという皮肉めいた部分もいい。
そこをトニーが現代風にアレンジして、人を集めるようになっていく。
悪人なんだか、善人なんだか、とりとめのないヒース・レジャー。
この「鏡」というよりは「万華鏡」みたいな世界に、よくマッチしています。
なにより彼がなんだか楽しそうで、これが遺作でよかったなあ・・・と思います。
「ダークナイト」の「ジョーカー」は独壇場ですばらしかったですが、
ちょっとつらい感じがする。
このいたずらめいた夢のようなイマジネーション。
そして、図らずも友情共演となった豪華メンバー。
まさに花道を飾りました。
なんだか記念に手元に置いておきたい感じのする作品・・・。
2009年/イギリス・カナダ/124分
監督:テリー・ギリアム
出演:ヒース・レジャー、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル、リリー・コール