空っぽではない「お飾りの壷」
* * * * * * * *
雨傘工場を経営するワンマン社長ロベール。
その妻スザンヌは、何不自由ない一見しあわせな主婦。
でも、なんとも退屈で、誰の役にも立っていないように感じる毎日。
娘からは「お飾りの壷」と言われ、落ち込んでしまう。
そんなある日、夫が心臓発作で倒れ、代わりに工場経営を任される。
折しも、工場は労働条件の改善を要求するストライキに入っていたりする。
彼女はあっさり要求を呑み、また新たな経営方針を打ち出して、
どんどん工場の経営状況が良くなってくるのです。
たまたま、主婦という立場にいて、能力を発揮する場がなかっただけ。
男女にかかわらず、隠れた能力を持つ人はいるものです・・・。
夫が健康を取り戻して会社に戻ってきたときには、
もうすでにスザンヌが名実共に経営のトップとして頼りにされていたのですが、
役員会の席で辛くも破れ、
またそのポストを夫にゆずらなければならなくなってしまいます。
しかし、自信を取り戻したスザンヌはそんなことではめげない。
スザンヌの次なる目標は・・・!
女性の社会進出と自立。
まさにそれがテーマです。
いかにも私好み・・・。
しかし、あまりにもそのものずばりなので、何だか拍子抜けといいますか、
あんまり感動は出来なかった・・・。
我が儘な視聴者であります。
この作品、舞台は1970年代。
今なら、妻が夫に変わってガンガン会社経営。
全く違和感もなければ、過激だとも思えません。
この時代のだからこそ生きるストーリーではありますね。
ただこのストーリーは、あまりにもその辺が簡単にいってしまったので
リアリティに欠け、おとぎ話になってしまった。
まあ、そういうお話なのでしょう。
女性の自立については、欧米は進んでいて日本は遅れている・・・と
何となくそんな思いがあったのですが、
いやいや、それはほんの少しの差のようです。
欧米でも女は家庭を守るもの・・・という根強い観念に、
つい最近まで縛られていたようで。
息子が母親の味方、娘は父親の味方、というふうに真っ二つなのも
ありがちな家族の風景なのかもと思いました。
意外にもスザンヌは貞淑な主婦ではなく、はじけた女だったわけですが・・・、
ちょっと悪のりしすぎでしたね・・・。
結局この作品はつまり、往年のカトリーヌ・ドヌーブファンに捧げる作品なのでしょう。
さすがにお年は召しましたが、
それでも充分に美しくチャーミングです。
赤いジャージを着て、ランニングしてるシーンなんて、
それこそ若き日の彼女からは想像がつきませんね。
そして、この題名も「シェルブールの雨傘」のオマージュか。
何だかそちらの方が見たくなってしまいましたよ・・・。
「しあわせの雨傘」
2010年/フランス
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:カトリーヌ・ドヌーブ、ジェラール・ドパルデュー、ファブリス・ルキーニ、カリン・ビアール、ジュディット・ゴドレーシュ、ジェレミー・レニエ
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雨傘工場を経営するワンマン社長ロベール。
その妻スザンヌは、何不自由ない一見しあわせな主婦。
でも、なんとも退屈で、誰の役にも立っていないように感じる毎日。
娘からは「お飾りの壷」と言われ、落ち込んでしまう。
そんなある日、夫が心臓発作で倒れ、代わりに工場経営を任される。
折しも、工場は労働条件の改善を要求するストライキに入っていたりする。
彼女はあっさり要求を呑み、また新たな経営方針を打ち出して、
どんどん工場の経営状況が良くなってくるのです。
たまたま、主婦という立場にいて、能力を発揮する場がなかっただけ。
男女にかかわらず、隠れた能力を持つ人はいるものです・・・。
夫が健康を取り戻して会社に戻ってきたときには、
もうすでにスザンヌが名実共に経営のトップとして頼りにされていたのですが、
役員会の席で辛くも破れ、
またそのポストを夫にゆずらなければならなくなってしまいます。
しかし、自信を取り戻したスザンヌはそんなことではめげない。
スザンヌの次なる目標は・・・!
女性の社会進出と自立。
まさにそれがテーマです。
いかにも私好み・・・。
しかし、あまりにもそのものずばりなので、何だか拍子抜けといいますか、
あんまり感動は出来なかった・・・。
我が儘な視聴者であります。
この作品、舞台は1970年代。
今なら、妻が夫に変わってガンガン会社経営。
全く違和感もなければ、過激だとも思えません。
この時代のだからこそ生きるストーリーではありますね。
ただこのストーリーは、あまりにもその辺が簡単にいってしまったので
リアリティに欠け、おとぎ話になってしまった。
まあ、そういうお話なのでしょう。
女性の自立については、欧米は進んでいて日本は遅れている・・・と
何となくそんな思いがあったのですが、
いやいや、それはほんの少しの差のようです。
欧米でも女は家庭を守るもの・・・という根強い観念に、
つい最近まで縛られていたようで。
息子が母親の味方、娘は父親の味方、というふうに真っ二つなのも
ありがちな家族の風景なのかもと思いました。
意外にもスザンヌは貞淑な主婦ではなく、はじけた女だったわけですが・・・、
ちょっと悪のりしすぎでしたね・・・。
結局この作品はつまり、往年のカトリーヌ・ドヌーブファンに捧げる作品なのでしょう。
さすがにお年は召しましたが、
それでも充分に美しくチャーミングです。
赤いジャージを着て、ランニングしてるシーンなんて、
それこそ若き日の彼女からは想像がつきませんね。
そして、この題名も「シェルブールの雨傘」のオマージュか。
何だかそちらの方が見たくなってしまいましたよ・・・。
「しあわせの雨傘」
2010年/フランス
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:カトリーヌ・ドヌーブ、ジェラール・ドパルデュー、ファブリス・ルキーニ、カリン・ビアール、ジュディット・ゴドレーシュ、ジェレミー・レニエ