映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

おっぱいバレー

2011年02月09日 | 映画(あ行)
純朴な中学生男子が、おかしくてやがて爽やか



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「おっぱいバレー」、どうもいかがわしい感じがしてしまう題名ではありますが、
これは意外にもすばらしく爽やかな感動作です。

ある中学校に赴任してきた新米教師の美香子(綾瀬はるか)。
彼女は男子バレー部の顧問を引き受けることになったのです。
でもそれは、バレー部とは名ばかりで、
全く練習をしたこともなく、ただダラダラしているだけの弱小部。
試しに女子と試合をしてみれば、あっけなく負けてしまう。
元々バレーに詳しいわけでも何でもない美香子なのですが、
このままではいけないと、少年たちにハッパを掛ける。
ところが何故か、地区大会で一度でも勝ったら、
おっぱいを見せてあげると約束させられてしまった。
突然やる気を出して、猛烈に練習を始め、実力をつけていく少年たち。
彼らを勝たせたいけれども、おっぱいは見せたくない。
葛藤する美香子。
さあ、その顛末は・・・。



この作品、実話を元にしているそうで、
その話も、そう古くないことのようなのですが、
映画では1979年を舞台に設定してあります。
というのも、このバレー部の少年たちがとってもかわいらしい・・・。
純情バカといいますか、
エッチな本や言葉に異常に反応してしまうその姿は、
逆になんの経験もない純朴さを露呈してしまっています。
作品中やたらにおっぱい、おっぱい・・・と、言葉が連発されますが、
次第におかしくて、爽やかに響いてくるのです。
ところで、今時の中学生は・・・?
と考えると果たしてそこまで純情かなあ・・・、と思えてしまうのですね。
おっぱいくらいで、そんなに盛り上がるかしらん?・・・と。
だからあえて、この作品は少し舞台設定を古くしたのだと思います。
また、場所も東京ではなく、北九州市。
そうですね。大都会の子供たちでもなさそうだ。
使われている音楽も、何だか懐かしい曲ばかり・・・と、
今気がつきましたが、これは当時はやっていた曲だったんですね!! 
明るくて元気が出る曲ばかりです。


さて、一方この美香子先生も、
単に適当な約束をしてしまうお調子者というわけではない。
彼女は前任校で、辛い経験をしました。
生徒と何気なく交わした約束を果たすことが出来ず、
それ以来、生徒たちとうまくいかなくなってしまったのです。
おっぱいの約束自体は確かに、弾みでそういう話になってしまったのだけれど、
「約束」したからには大きな責任がある。
そう自覚もしている美香子。

そしてまた、彼女が教師を目指した理由も語られていて、
しっかりとしたバックボーンのあるストーリーとなっています。
まあ、だまされたと思って、是非ご覧ください。
楽しいですよ。

おっぱいバレー [DVD]
綾瀬はるか,青木崇高,仲村トオル,石田卓也,大後寿々花
VAP,INC(VAP)(D)


「おっぱいバレー」
2009年/日本/106分
監督:羽住英一郎
出演:綾瀬はるか、青木崇高、仲村トオル、石田卓也、大後寿々花