混沌としたニューヨークの街、人、恋
* * * * * * * *
世界各国の11人の映画監督による、様々なショートストーリーが繋がれています。
舞台はニューヨーク。
そこで出会う男女のいろいろな形の愛。
出演陣がまた豪華で、宝石箱を覗くような楽しみがあります。
日本人監督としては、岩井俊二氏が参加。
この部分がまたとびきりステキなストーリーでした。
映画作曲家のデイヴィッド(オーランド・ブルーム)は自宅で仕事中、
監督としばし電話で連絡を取るのですが、
いつも電話で対応するのは
会ったことのないアシスタントのカミーユ(クリスティーナ・リッチ)。
監督はドストエフスキーの本を読んで曲を作れというのですが・・・。
分厚い本の上下巻。
忙しいし、とても読む気になれません。
そんなグチをカミーユに話していると、
私が本を読んで、内容を教えてあげましょうかと、カミーユ。
あのオーランド・ブルームが、ぼさぼさの髪に無精ヒゲ、
穴の開いたTシャツに散らかり放題の部屋・・・と、
とても親しみの持ててしまうスタイルで登場。
本当にささやかな恋の始まりのストーリーなのですが、
何だか瑞々しくて、しかも都会的。
他の監督作品と比べても、ダントツだと私は思います。
他に私が好きだったのは、ホテルのボーイと元オペラ歌手の老婦人の話。
ボーイはなんとあのシャイア・ラブーフ。
彼は足が不自由なのです。
老婦人はとても品の良い方で、でも少しさみしげ。
彼女は実はこのホテルで自殺をしようと思っているようなのですが・・・。
静謐で上品で美しく、そして幻想的。
他の作品と比べると異彩を放っていて、すばらしく印象的です。
シャイア・ラブーフといえば、「トランスフォーマー」などを連想し、
陽気でやんちゃな青年・・・という印象を持っていたのですが、
ここでは何か愁いをたたえた瞳で不思議な魅力を放っています。
いやあ、やはりこういうところが役者さんの力というものなんだなあ・・・。
これらがすべてニューヨークという縛りの中で描かれていることには
意味があると思うのです。
その街のイメージというものは確かにありますよね。
ニューヨークは、皆忙しくて、
ちょっぴり他人のことには冷淡で、孤独で、
でもだからこそ人恋しくなることもある。
スタイリッシュな一方ごみごみしていて・・・
それぞれの作家のイメージを重ね合わせることで、
そんなニューヨークのイメージが確かに伝わったような気がします。
「ニューヨーク、アイラブユー」
2009年/アメリカ/103分
監督:イバン・アタル、アレン・ヒューズ、岩井俊二、チアン・ウェン、ジョシュア・マーストン
出演:オーランド・ブルーム、クリスティーナ・リッチ、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン、シャイア・ラブーフ
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世界各国の11人の映画監督による、様々なショートストーリーが繋がれています。
舞台はニューヨーク。
そこで出会う男女のいろいろな形の愛。
出演陣がまた豪華で、宝石箱を覗くような楽しみがあります。
日本人監督としては、岩井俊二氏が参加。
この部分がまたとびきりステキなストーリーでした。
映画作曲家のデイヴィッド(オーランド・ブルーム)は自宅で仕事中、
監督としばし電話で連絡を取るのですが、
いつも電話で対応するのは
会ったことのないアシスタントのカミーユ(クリスティーナ・リッチ)。
監督はドストエフスキーの本を読んで曲を作れというのですが・・・。
分厚い本の上下巻。
忙しいし、とても読む気になれません。
そんなグチをカミーユに話していると、
私が本を読んで、内容を教えてあげましょうかと、カミーユ。
あのオーランド・ブルームが、ぼさぼさの髪に無精ヒゲ、
穴の開いたTシャツに散らかり放題の部屋・・・と、
とても親しみの持ててしまうスタイルで登場。
本当にささやかな恋の始まりのストーリーなのですが、
何だか瑞々しくて、しかも都会的。
他の監督作品と比べても、ダントツだと私は思います。
他に私が好きだったのは、ホテルのボーイと元オペラ歌手の老婦人の話。
ボーイはなんとあのシャイア・ラブーフ。
彼は足が不自由なのです。
老婦人はとても品の良い方で、でも少しさみしげ。
彼女は実はこのホテルで自殺をしようと思っているようなのですが・・・。
静謐で上品で美しく、そして幻想的。
他の作品と比べると異彩を放っていて、すばらしく印象的です。
シャイア・ラブーフといえば、「トランスフォーマー」などを連想し、
陽気でやんちゃな青年・・・という印象を持っていたのですが、
ここでは何か愁いをたたえた瞳で不思議な魅力を放っています。
いやあ、やはりこういうところが役者さんの力というものなんだなあ・・・。
これらがすべてニューヨークという縛りの中で描かれていることには
意味があると思うのです。
その街のイメージというものは確かにありますよね。
ニューヨークは、皆忙しくて、
ちょっぴり他人のことには冷淡で、孤独で、
でもだからこそ人恋しくなることもある。
スタイリッシュな一方ごみごみしていて・・・
それぞれの作家のイメージを重ね合わせることで、
そんなニューヨークのイメージが確かに伝わったような気がします。
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「ニューヨーク、アイラブユー」
2009年/アメリカ/103分
監督:イバン・アタル、アレン・ヒューズ、岩井俊二、チアン・ウェン、ジョシュア・マーストン
出演:オーランド・ブルーム、クリスティーナ・リッチ、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン、シャイア・ラブーフ