映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

遥かなる大地へ

2011年02月21日 | 映画(は行)
アメリカン・ドリームは果たせるか

            * * * * * * * *

トム・クルーズとニコール・キッドマンのラブロマンです。
時は1892年、西アイルランド。
当時あまりにも農民の生活が貧しく、地主に対しての反乱が起こったのです。
ジョセフ(トム・クルーズ)は貧しい農家の3男坊。
地主に父を殺され家に火をかけられた復讐に、地主を殺してやる、と家を出た。
なんと、ロバに乗って。
馬なんて飼えないんですよ。
しかし、そのもくろみは失敗。
その地主の娘シャノン(ニコール・キッドマン)は、
このまま好きでもない人と結婚させられて、退屈な人生を送るのが嫌で仕方ない。
おかしな成り行きで出会った二人は、
自由の地アメリカへ渡って、無料で手に入るという土地をめざして、
故郷を後にします。
ところが、船が無事ボストンに着いたのはいいのですが、
お金に換えるはずだった銀のスプーンを盗まれて、無一文。
二人はやむなく、まずその地で働きお金を貯めることに・・・。

このあたりまでは、あくまでもシャノンはお金持ちのお嬢様。
ジョセフはただの行きずりの貧乏人です。
しかし働くために、シャノンはジョセフの妹ということにして、同室に住む。
ろくに洗濯も出来なかったシャノンが、次第にたくましくなっていきます。
一方ジョセフは酒場のボクシングでかなり稼ぐことが出来るようになってきた。
緑の美しい広い土地で、畑を耕し、馬を飼って・・・二人の夢は広がります。
しかし、良いことは続かない。
あたりを取り仕切る権力者に逆らったことで、仕事も住むところも失ってしまう二人。
二人の寄り添いかけた心は? 
夢は・・・?


これは「風と共に去りぬ」のような壮大な歴史ロマン?と思わせつつ、
それとは少し違う。
アクションもあり、またこの二人のやりとりもイキで楽しくて、
エンタテイメント的サービスがたっぷりなのです。
加えて、アイルランドからアメリカンドリームをつかむためにやってくるというドラマ性、
わくわくします。

二人は一度離ればなれになり、オクラホマの地で再会します。
そこでは本当に無料で土地が手に入るイベントがあった。
ホース・レースといって一斉に走りだし、
既に区画して旗が立っているところを探し出し、
自分の旗を立てればそこが自分の土地です。
あまりにも乱暴です。
そこで死人が出ようがなんだろうがおかまいなし。
そんな時代があったのですねえ・・・。
でも、ダイナミックなそのシーンは、すばらしかった。
しかし、元はといえばアメリカ先住民の土地でしょうに・・・。
おっと、ここでそれをいってはいけません。
それはまた別の話。


洗濯の仕方を教えるシーン。
一度死んだふりをして周囲の反応を見ること。
これらのシーンが、違うパターンで繰り返されるところがおかしい。
それから、シャノンのお父さん(アイルランドの地主)がなかなか憎めない人で、
好きですねえ、この感じ。
シャノンはきっとお父さんに似たのでしょう。


えーと20年前の作品ですか。
どおりでトム・クルーズが若くて、お肌が光り輝いています!!
こりゃ、文句なしにカッコいい。
この作品当時すでにニコール・キッドマンとトム・クルーズは結婚していまして、
イキがぴったりなのも当然ですね。
あまり深く考えずにドラマチックに楽しめる一作です。

遥かなる大地へ [DVD]
トム・クルーズ,ニコール・キッドマン,トーマス・ギブソン
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン


「遥かなる大地へ」
1992年/アメリカ/140分
監督:ロン・ハワード
出演:トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、トーマス・ギブソン、ロバート・プロスキー、バーバラ・バブコック