映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

愛を綴る女

2019年01月07日 | 映画(あ行)

足元を見よ!

* * * * * * * * * *


ガブリエル(マリオン・コティヤール)は、フランス南部、
ラベンダー畑の広がる小さな村で暮らしていました。
狂わしいほどに愛する人がいたのですが、全く相手にされず失恋。
両親はその後始末と言わんばかりに、
実直そうなスペイン人労働者のジョゼ(アレックス・ブレンデミュール)とガブリエルを結婚させようとします。

「あなたはうちの親に利用されているだけ。
結婚しても絶対にあなたを愛することはない。」

と言い放ちながらも、やむなくガブリエルはジョゼと結婚します。
表面上は夫婦の体裁を整えながら結婚生活が始まったある日、
腎臓結石の治療のため、ガブリエルは温泉保養地にしばらく滞在することになります。
そしてそこで、インドシナ戦争で負傷した帰還兵アンドレ(ルイ・ガレル)と運命的な出会いをします。

ガブリエルの情愛は、ほとんど常軌を逸するほどに強いのです。
見ていても、こりゃビョーキ?と思えるほどで、
家族もしきりに彼女に病院へ行くように進めるのですが、無論彼女自身はそういう自覚はありません。
・・・というのが実は伏線だったことが後にわかるのですが・・・。



ガブリエルははっきり言って面食いですよね。
相手をよく知らないのに、ひと目で好きになった気になってしまう。
今で言ったらストーカーの素質十分。
それで、最後はまさかの展開で、驚いてしまいました。
そして、勝手気ままな妻をも包み込む、夫ジョゼの愛情・・・。
足元を見よ!
はじめから答えはそこにあったのに、よそ見ばかりするものだから・・・。



意外な展開と、納得の結末。
こういう話、好きです!

 

愛を綴る女 [DVD]
ミレーネ・アグス,ニコール・ガルシア,ジャック・フィエスキ
アルバトロス

<WOWOW視聴にて>
「愛を綴る女」
2016年/フランス・ベルギー・カナダ/120分
監督:ニコール・ガルシア
原作:ミレーナ・アブス「祖母の手帳」
出演:マリオン・コティヤール、ルイ・ガレル、アレックス・ブレンデミュール、ブリジット・ルアン、ビクトワール・デュボア
意外な展開度★★★★★
満足度★★★★☆