映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「にっぽんのカラス」松原始

2019年01月26日 | 本(解説)

また、カラスの本

にっぽんのカラス
松原始,宮本桂
カンゼン

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ベストセラー「カラスの教科書」の著者・松原始氏の最新刊!
カラスたちの魅力に美しくユーモラスな写真とテキストで迫ります。
生態を動物行動学者・松原始が解説し、多彩な表情や仕草を野鳥写真家・宮本桂が撮る。

カラスたちの魅力を生態のわかる雑学要素も盛り込みつつ紹介していく本格ビジュアルガイド。

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「カラスの教科書」でおなじみ、松原始さんの本です。
これまでの本ではカラスは可愛いイラストで、それも良かったのですが、
本作は「スーパービジュアル版」として、宮本桂さんによる写真満載。
そういえば、野鳥の本で美しい鳥たちを目にすることは多くても、
カラスの写真って、あんまり見たことがなかったですよね。
普段かなり近寄っても逃げないくせに、
カメラを向けるとさあっと逃げていってしまうという体験も私はしています。
なにしろ真っ黒なので、写真に撮るのもそれなりに難しいそうですよ。
それなので、こんなふうにじっくりと羽の様子、体の様子を見ることができるのは嬉しい限り。
それと、意外に可愛い表情をしていることもあるんですね!


そしてもう一つ嬉しいのは、先日ご紹介した札幌のカラス応援団長、
中村眞樹子さんの文も載っていること。
彼女によれば札幌のカラスはフレンドリーだと言うのです。
そうなのか・・・。
札幌のカラスしか知らない私には、これが当たり前だと思っていましたが・・・。
それにしても確かに最近の札幌市では、カラスの駆除は極力行わないようにしていて、
「カラスの子育て中なので頭上注意」というような看板を見かけることが多くなりました。
中村さんの活動の成果だと思いますし、
今にもっと札幌のカラスがフレンドリーになっていくかもしれませんね。


古くから世界中でカラスの生態研究をしている方はいらっしゃるようで、
本巻ではそんな論文を簡単に紹介してくれたりもしています。
カラスに興味ない方ならそれなりに、カラスを好きな方ならもっと、
カラスを身近に感じられる本だと思います。

図書館蔵書にて

「にっぽんのカラス」松原始 カンゼン
満足度★★★.5