映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

影裏

2020年02月24日 | 映画(あ行)

裏側の、影の一番濃い部分

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転勤のため岩手に移り住んだ今野(綾野剛)。
職場の同僚・日浅(松田龍平)と知り合い、次第に親しくなっていきます。
ともに酒を酌み交わし、川に釣りに行き、時にはコンサートにも行く。

ところがある日突然、日浅は会社を辞めてしまいます。
何も聞いていなかった今野は裏切られたような気がしてしまうのですが、
それからしばらく経って、又ふらりと姿を現した日浅。
しかし二人はどこかギクシャクしたまま、以前の無邪気な関係には戻りません。
そして又連絡が途絶えたしばらく後、日浅が行方不明となっていることを知る今野。
気になる今野は日浅を知る人の話を聞いて回りますが・・・。

作中で日浅が言っていた言葉が思い出されます。

「君は一瞬光の当たるところだけ見ている。
人を見るときはその裏側、影の一番濃いところを見るんだ」

日浅を知るいろいろな人の話を聞くうちに、彼の影の部分が浮かび上がります。
改めて自分は彼のことを何もわかってはいなかったと思い知る今野。
そして今野は、日浅にとっての自分の存在は一体何だったのか、
そこが一番知りたかったのではないでしょうか。
しかしそこは本当に一番影の濃いところで、
今となっては見ることもできない・・・。

ザクロ、蛇、苔、ニジマス・・・。
何やら意味ありげなアイテムが多数。
いろいろな解釈ができそうだけれども、まあ、ここではやめておきましょう。
東京での生活を整理してきたように言う今野の真実がまた、なかなかのモノでした。
なるほど、だから初めのうち、あんな風に暗くうつむいていたのか・・・。
そんなところが日浅の気をひいたのかもしれませんが。

綾野剛さまのパンツ一丁(トランクスじゃなくて、ボクサーブリーフってヤツ?)の姿とか、
すっぽんぽんのお尻を眺めることができまして、かなりのサービス過剰!
そして、中村倫也さんにも驚かされました!
そして何を考えているのか全然わからない日浅には、松田龍平さん以外考えられません!

<シネマフロンティアにて>
「影裏」
2020年/日本/134分
監督:大友啓史
原作:沼田真佑
出演:綾野剛、松田龍平、筒井真理子、中村倫也、安田顕、國村隼

影度★★★★☆
眼福度(?)★★★★★
満足度★★★★☆

 



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