「図書館革命」 有川 浩 メディアワークス
有川 浩の図書館シリーズ4巻目。
これが最終巻ということですね。
・・・となればラストは絶対、ムフフということになると想像はつきます・・・。
そもそも、近未来小説。
公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メディア良化法」が制定される。
しかしそれが次第に過激化し、超法規的検閲が始まる。
それに対抗し図書館は図書隊を設立。
武装して「狩られる本」を守っている。
こんな背景の中でのストーリーです。
主人公笠原郁は、女子としては卓越した運動能力を認められ、図書特殊部隊(ライブラリー・タスク・フォース)に配属される、
・・・と。基本的にはこのように、思い切りハードなストーリーなのですが・・・。
彼女の教官は、やたら厳しい堂上。
”どじでのろまな亀”みたいな新入り女子(笠原は、のろまではないですけどね。)と、”オニ教官”、
ということで、なんだか既視感のある設定。
・・・そうなんです、この設定でなぜ?と思ってしまうのですが、なぜか思いっきりラブコメ。
でも結局そこが魅力で、いつの間にやら4巻もハードカバーの新刊でお付き合いしてしまったのですが。
「塩の街」でも感じたのですが、彼女の描く男女関係はとにかく甘い!!!
どこかむずむずとしてくる位、セリフのやり取りが口は悪いくせに甘い。
なぜか女心のつぼを刺激する会話の数々。
もう、やめられません。
きっとこれを読んでいる時の私はニマニマ、みっともなくもにやけた顔をしている。
こっそり読まなくては・・・。
この本では、やはり最終巻ということで、この忌まわしい近未来も、わずか、是正の兆しが見える方向で終わるんですね。
その、大きなきっかけに笠原郁が絡むことになる。
おお、そこまで彼女が成長するとは、思っていなかった。
えらいぞ、笠原。
この本の登場人物紹介文がまた傑作。
熱血バカ(笠原郁)、
怒れるチビ(堂上)、
笑う正論(小牧)、
頑な少年(手塚)、etc…。
TVアニメ化決定だそうで、この話。
確かに、アニメにぴったりだと思います。
最後に、今回のとっておきの郁のセリフ。
「あたし、帰ってきたらカミツレ返して、堂上教官に好きって言いますから!
だから、絶対元気になってください!
元気にならなかったら許さない!」
・・・って、おい、言っちゃってるよ~。
満足度★★★★★