ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

チンドン芝居書けました!!

2007-04-10 21:31:03 | 演劇

 チンドン芝居、書けたぁ!!いや、正しくは、今、読み直し作業中。でも、まず、明日には完了する。いやあ、辛かったぁ!!

 タイトルは『おもかげチャンチキ』。チャンチキてのは、チンドン太鼓の上にくくりつける鉦のこと。ぶきっちょだけど、誠実な男の人生を、長く別れて暮らしていた娘が、チャンチキの音に導かれてたどっていく、って話しだ。

 この男の10歳の時(1959年)の淡い初恋の思い出、30歳の時(1979年)の理不尽な蹉跌、そして、53歳の時(2002年)の突然の破局、それに男の葬儀と、四つの時間を行きつ戻りつして、男の、どうにもならない寂しいけれど充実した人生の成り行きと、父と娘との和解を描いてみたつもりだ。

 この男、チンドン屋ではない。それぞれの時代に、その時代なりのチンドンとの関わりを持つという設定にした。苦労したんだよ。わかるかな?だって、ずばりチンドン屋書いたら、どうしたって、チンドンの音や光景をふんだんに再現しないわけに行かないでしょ。これって、プロでも頼まない限り、かなり無理があるからね。悩んだ!苦しんだ!チンドン書くなんて、宣言してしまったおかげで。

 で、解決方法。芝居の底流をチンドンが流れるって構成にした。これだと、シルエットで見せるとか、音だけ聞かすとか、いろんな方法が(ごまかしとも言う)可能になる。でもね、やっぱり、チンドン描いて、全部借り物って上手くないって思ったんだ。下手は下手なりに、チンドン出さないのはフェアじゃない。芝居にフェアもアンフェアもねえだろう、どこまで騙せるかって問題だろ、とは思うけど。まっ、それは置いといて。それで、団員にチンドン屋をやってもらうことにしたってわけだ。詳しくは、本ブログ『ええーい!チンドン屋作っちゃえ』を見てほしい。

 チンドン屋旗揚げを決断したおかげで、なんかいろいろ楽しいことが始まりそうで、今は、舞台と同様、ちょっとどぎどきだ。新しいことに挑戦するのって、やっぱりいいよね。この緊張感が、常に人生を新鮮にしていくんだ、なーんて、わかったような口きいちゃって。

 さて、今回の台本、凄く苦しんだ。これまでの書き方のパターンを打っちゃらかして、これまた、新しい方法で書いてみたからなんだ。どういうことかって?それは、ストーリーに頼らないってこと。できるだけシーンのイメージを大切にして、そこから立ち上がってくる登場人物の思いや言葉を拾い上げてみようと思ったんだ。

 成功したのか?って、う~ん、ビミョー、だね。やっぱり、いつの間にか、ストーリー引き寄せてしまうんだよ、僕の弱さだ。もっともっと、イメージを膨らませて、意味など無視し、時間など飛び越えて、縦横無尽に走り回りたかったんだけど。想像力の不足!論理へのこだわり過剰!ストーリーの過信!改めて自分の限界を感じた作品になってしまった。

 おっとっとっと!いけねえいけねえ!以上は厳しい内省の言葉。失敗作なんて思わないでほしい。中途半端なだけ、わかりやすい面白い台本には仕上がったと思うよ。それと、限界なんて、安易に語っちゃいけなかったんだ。だって、僕の演劇部での口ぐせ『できないって言うな』なんだからね。

 ということで、明後日から稽古に入ります。菜の花座第16回公演『おもかげチャンチキ』乞うご期待です。公演は7月15日(日)、川西町フレンドリープラザだぁ!

コメント (8)
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