だいぶ時間が経って、話題としては旬を過ぎてしまったけど、まず、読んでおいてもらいたい記事なので載せておこう。終日出掛けていたこともあって、今日のアップをなんとか乗り切るための方便でもある。ご容赦!
米沢市芸術文化協会ステージフェスティバルの作・演出を担当した。今年はいつもと違って県民芸術祭の開会記念公演。県内各地から一杯お客さんも来るって言うし、こりゃ目一杯頑張らなくちゃ。
まず考えたのは、ステージから飛び出すってこと。ステージフェスティバルなのに?そう、会場前ではエイサークラブの華やかな演舞、ロビーの特設舞台ではフルートの演奏がお迎えし、能舞台では子どもたちが狂言を披露した。休憩時には、米沢市職員による「鷹山コント」まで上演するという、とことんサービス、熱っついおもてなしを実現した。そりゃそうだ、テーマは『おしょうしな=染めなして愛』だもの、米沢の人たちの優しい思いやりの心を、存分に感じ取ってもらえる演出にしなければ。
ステージの方もこれまた多彩だ。幕開けは、毎春、米沢市民総出で踊る米沢民謡流し、客席にまで溢れ出た踊り手が賑やか祭りを再現し盛り上げる。踊りに込めた祈りは子ども獅子踊りに引き継がれ、健気に舞い納めてくれた。高校生の勇壮な太鼓に乗ってモダンダンス教室の子どもたちが可憐に舞台を飛び、高校ダンス部が琴と尺八の調べに合わせ優雅に舞った。
このステージのために作られた新曲も盛りだくさん。新民謡「四季めぐり米沢」は日本舞踊のグループのあでやかな踊り、ポップス「二人だけ米沢」は若手の歌い手とダンサーたちのコラボレーション、市内合唱団総出の演奏には「あなたへ米沢」と、米沢とオリジナリティにこだわった構成となった。
シーンとシーンの合間は、劇団若手二人のコントと、語り部さんの昔話でつなぎ、旅人の青年が米沢の人や歴史、文化に触れておしょうしなの心を理解していくという筋立てにした。心和ませるやり取りと話術が会場の雰囲気を暖めてくれた。最後は出演者全員、小学生の指揮で「僕たちのまち米沢」を大合唱し、終われば外に出て、おしょうしなの言葉とともに観客をお見送りした。すべてに、もてなしの心、感謝の思いが溢れたフェスティバルとなった。
出演団体を見て思ったのは、伝統芸能系の文化芸術団体って高齢化してるよなぁ、ってことだった。日舞しかり、邦楽、吟道、書道、華道、茶道、いずこもシニアの一人勝ち、いやいや、そりゃ勝ちとは言わない。色合いは違っても合唱だってそうだ。かく言う我が菜の花座も今やシニアの勢いに飲み込まれつつある。
この光景、どう見るか?シニアの元気万歳!を叫ぶのか?文化のじり貧現象極まれり!と見るのか?たしかに高齢者が元気に文化芸術を引っ張って行くのは悪くない。伝統系など歳を重ねなければ到達できぬ高みってものもある。だがね、次の世代への伝承とか、今の青壮年世代の行く末ってこと考えると、いいんかい?これで、の感は否めない。
同じことは、男女の文化度格差についても言える。今回のグループ構成員を見ても、ダンスと舞踊はほぼ100パー女、邦楽、合唱でかろうじて男2割。さらに驚きは、高校太鼓部の新入生全員が女だったことと。以前は女人禁制だった獅子踊りも、今や主力は女子。そうそう、高校の部活でも、文化部はどこもかしこも女系サークルだ。
どこまで行くのか?女の文化占領!いや違う、占領なんかじゃない、男はとうの昔に文化という領土を放棄しちまってるわけだから。文化?芸術?そりゃ女子どものものでござんしょうってとこだ。男だったら、仕事一筋どんと来い!スポーツ根性ファイト一発!やる気満々賭け事勝負!だがなぁ、いいのかこれで?
近頃話題の結婚できない症候群、これって女と男の文化度格差の現れじゃないのか?リタイア後に粗大ゴミの男たち、そりゃぜったい、文化度の低さが原因だ。いいのかな?このままで。