演劇公演でチラシ・ポスターが仕上がってきた時くらい、よっしゃ、やらなくっちゃ!って感じることはない。こればらまいたら、もう後には引けない!止~めた!なんて言えない、何が何でも舞台の幕をを上げるまで突っ走るしかない。そんな決意を新たにしてくれるのがチラシ・ポスターだ。
そのちらし・ポスターが優れたものならば、意欲の高まりは尚のことだ。仕上がり具合によっちゃ、これ芝居よりよっぽどセンスいいんでねぇ?なんてこともあって、密かに、ヤベ、ヤベ、頑張んなんね、と焦ることなきにしもあらずだ。
今回もそんな秀作がデザイナーから上がってきた。シニア演劇学校『シェアハウス ブルース』。
この所、いつもお願いしているあすむ君の作品だ。いいねえ!台本のコミカルな感じが全体の構図からも描線からもよく出ている。殺し屋が女の子ってのも、実際の舞台と違うけど、なんか親しみが持てていい。中空から、シェアハウスの内部が鳥瞰されたイラストも丁寧に描き込まれているし、書かれたキャラクターも実は結構原作を忠実に再現してたりしてい、ニヤリとしてしまった。何よりそのアイディアが斬新で、好きだなぁこういう工夫のある作品は。
と、最初、大いに気に入り、次ぎに感じたのは、このチラシだったら、チラシで客べるよな、ってことだ。以前、別の劇団で素晴らしいチラシを制作したことがあって、それを見た美術関係者がつられて見に行ったと話していたけど、そのレベルに達していると思う。問題は、チラシ見て、面白そう!って来てくれた人たちが、がっかり失望して帰ることのないようにするってことだ。
台本は、おこがましいけど、悪くない。いや、かなりの自信作だ。笑いも、言葉の笑い、仕草の笑い、キャラクターの笑い、そして何より、設定の笑い、いろんな要素をどっちらかして待ちかまえている。だから、演ずるシニアたちには、笑わせられなかったら、役者の所為だ!あんたの演技が問題だ!そん時は、打ち上げでお酌しないからな!なんて、冗談ながらもここまでプレッシャーを掛けている。ほろりとする部面やかっこいいなぁ!って思うシーンもかなりある。評判の舞台になる予感がぷんぷんしている。後は、どこまで仕上げきれるかだ。
さあ、ポスターを貼ってチラシを配ろう。もう後戻りはできないですぞ、シニア4期生の皆様!おっと、演出さんも!