ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

稲こき日和

2015-10-22 09:29:37 | 農業

 朝から晴天!珍しい。ここ、盆地だから、夜冷え込んだ翌朝は霧が全面を包み込む。良くて10時過ぎ、遅いと昼前にならないとお日様は顔を覗かせない。最悪の場合、晴れているのに、終日霧の中!なんてやるせない事態も季節に1度あったりもする。

 逆に、朝から日が差していると、その後曇ったり雨が降ったりするから、早朝の晴れ間はぬか喜びになりかねない。そんな気まぐれ朝日を”朝てっかり”なんて呼んでんだけど、これ、家だけかね?だから、朝から快晴、それが一日続くというのは、本当に望外の天候なんだ。

 前日、さーっと雨が降ったので、午前中は作業を見送り、陽ざしで稲穂が乾いた昼前から稲こきにかかった。強い日射に乾燥は十分、よしよし、これならスムーズに行くだろう。なんたって、今年はハーベスターを新しくしたからね。

 昨年まで使っていたのが、完全にガタが来て、今年は一緒に使っているNさんと相談の上新しい機械を入れた。って言っても20前のもの。なーんだ、そんな古いの!なんて馬鹿にしちゃいかんよ。前の持ち主さんがとっても大切に使ってきた代物なので、まるで新品?同様。以前のものにはなかった新機能もたくさんついていて、これは使いやすそう。何よりガソリンエンジンだってところがいい。ディーゼルだと、弾み車を手回しして始動するんだけど、苦手だったんだぁ。一度その金具に足撲っ叩かれてから、おっかねえ、おっかねえ!だから、一発始動は大歓迎!

 ゆずってくれたのは、Nさんのお隣さん、高齢のうえ腰を痛めて離農、お陰で格安で手に入れることができた。これから、こういう見知らぬ人への引き継ぎ、農地や機械で盛んになってくるだろうな。て言ってる我が家だって、すぐ目と鼻の先には、誰かに引き継ぐことになるんだろう。もっとも、土地はともかく、機械はどれも中古をさらに使い尽くしたものだから、誰も使っちゃくれないだろうけど。

 さて、新規導入のハーベスターだ。ガソリンエンジンだと力弱いか?なんて心配はまったくの杞憂、稲束をつっこむそばからきれいにこいてくれる。ほとんどこき残しの粒なんか出ない。以前はこき胴の爪が一部折れてた関係で、こき残しが多く、随分米を無駄にもし、悔しい思いもしてきたので、きれいにこそぎ取ってくれる新入り君には大いに感激した。

 さらに、こき終えた藁束の結束の方も調子がいい。イネの長さに応じて結束部分をこまめに前後させてやれば、絡まったり、結束不能なんてこともまずまず少ない。こき終えた藁は、道路脇まで運んで、畜産農家Sさんに持って行ってもらう。だから、束ね方が上手くいけば、一気に藁束5~8束がひとまとめになるので、運びやすく、積みやすい。僕がこき方に専念し、神さんが藁束運びを受け持って作業は順調に進行、5時前には片づけまて゜すべてきれいに完了できた。トラブル少なかった分、ストレスも皆無、これで半年間の米作りも無事完遂できたってことだ。

 今年の収穫はコシヒカリ、ヒトメボレ、どちらも8俵弱、有機農業の”そこそこ作り”としちゃ、まあまあってところかね。無理して多収した米は美味しくないから、そこそこが狙い目なんだ。どちらかと言えば、コシヒカリの出来の方が良かったのは、やっぱり、苗の良し悪しが出たってことだ。育苗で失敗してまき直したヒトメボレは見た目同じでも、体力の足りない苗だったんだ。今年も幾つか大切なポイントを学べた。来年はきっと上手くいくことだろう。これを百姓の来年って言う。多くの農家が、そうやって失敗に懲り、そこから次の年のヒントを得ながら、期待を込めてまた来年、新たな気持ちで米作りに臨むんだ。百姓の来年、焦らず、腐らず、投げ出さず、明日を見据え、努力を重ねていく。そんな倦む事なき積み重ねが、日本の農業を支えてきたっていうことだよ。

 

  

コメント
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