暖冬だ。昨日からの雨で、またまた積雪ゼロになった。いいのか?こんなで。ちょっとは積もってくれよ。せっかく雪囲いだってしたんだし、って我が儘ってもんだろ、それは。除雪の手間が省けただけだって大助かりのはずなのに。除雪機動かさないから、ガソリンだって節約できてるわけなのに。なんか、落ち着かない。ついつい畑に出て見たくなる。この春は、春先菜っ葉の種蒔き、早めにした方がいいかもな。今までの習慣ってやつも、見直さにゃならんかも。
暖冬だからって、暖房は不要、ってわけにゃいかない。昼間てもせいぜい上がって5,6度、夜は零下に下がる。ストーブの中で薪は赤々と燃え続けている。ストーブトップ、って言うんだって、上面の部分のこと、にゃ薬缶が二つ。一つは、湯沸かし用、もう一つは蒸気発生用だ。そして、その前でせっせと働いているのが、換気扇だ。ストーブ本体が300℃を越えると、威勢よく羽根を回し始める。周辺の暖気を前に送り出してくれるのだ。
この換気扇、なんと、動力源がない。いや、ないわけない。この地球上エネルギーなしに運動はあり得ない。ストーブの熱が回転力を生み出している。正確には、温度差だ。ストーブトップに接する底部と上部のフィンとの温度差でモーターを回す構造なのだ。ちょっとイメージしにくいが、水力発電と同じってこと。あっちは、水の高低差が力となって発電タービンを回す。この換気扇の本体部分では、絶えず熱の移動が生じていてその熱流がモーターを回し、羽根を回転させているってことだ。うん。なかなか頭いいぞ。
このファンでどんだけ暖気流を巻き起こせるか?っていうと、実はたいしたことはない。高速回転する羽根の20センチ前あたりまでなら、風を感じるが、それ以上離れるともうダメだ。部屋中の暖気の偏りを攪拌するなんておよびもつかない。どうしても天井付近に滞留しがちな熱を下に吹き降ろすには、別に電動のファンを使っている。写真右上。
意味ないじゃん!って片付けちゃいけないぜ。見かけってもんも大切なんだ。ほれ、ストーブの前グリルが耐熱ガラスになって、燃え盛る炎が見えるようにしてるだろ。あの赤々と燃える薪を見て、さらに暖かさを感じるのと同じことさ。この換気扇が、健気に回り続けていると、ああ、暖かい空気が部屋中を循環してるなあ、って思ったりもするじゃないか。なんか、こいつの必死の回転がこの部屋を暖めてくれてるって、感じるじゃないか。
なっ、現実は無駄であっても、役に立つ働きてのは、あるんだぜ。ほら、人間だって言うだろ、近くにいてくれるだけでホッとするとかって。