菜の花座新年会つづき。お目出度一つ、昨年末結婚した団員にお祝いのプレゼント。劇団が結束強めて行くってことは、こういうお祝い事も取り込んで行くってことなんだな。人付き合いの悪い俺としちゃ、あんまり個人の暮らしに入り込みたかぁないんだがなぁ。あくまで、ソリッドに演劇つながりで行きたい、クールでありたいって思ってんだが、20人近くの団員が寄り合ってくれば、菜の花座はみんなのもの、俺の好みなんて知っちゃこっちゃないってことだぜ。
結婚おめでとう、ついでに、俺もプレゼントもらった。でもなぁ、これ、素直に喜び感謝全開とはいかんのよ。こっちは台本書きと演出で力だし、他のメンバーは役者やスタッフとして能力を発揮している。担う部分は違っても、それぞれがまぁ、精一杯頑張ってるのが菜の花座だ。一人、感謝される謂れはない、なんて、年甲斐もなくこじらせキャラだよな。あっ、ただのジジイの偏屈か。
減らず口叩いちゃいるが、ウィスキーとラムのプレゼントは、へへへへ、そりゃ嬉しい。こっちの好みを吟味して、珍しい酒を選んできてくれたとなればなおさらだ。
なにぃぃぃ?聞いたことないぞ「越しの忍」?新潟のウィスキー?地ビール会社の酒か?なんかネーミングと言い、ラベルと言い、ビンの形と言い、焼酎のセンスだ。でも、度数43度のピュアモルト!
香りはぁぁぁ、モルト100パぁの豊潤さはちょっと足りないかな。あれっ?ブレンド?ってもう一度裏書を見直してしまった。が、味の方は、うん、たしかにモルトだ。甘みの勝った飲みやすい味わい、悪くない。久しぶりのモルト100、大切に楽しませてもらおう。
ラムの方は、ポーランド土産ってことなんだが、エストニアの銘酒VANATALLINだった。香料をたっぷり漬け込んで甘く仕上げたお酒だ。アイリッシュミストなんかのハニ―ウィスキーとよく似た味わい、うん、お屠蘇にも近い。薬酒としての効果もあるかな?
なんて、勝手に値踏みしちゃいるが、ありがたいことだし、嬉しいことだ。感謝のプレゼント、ってことは、みんな、俺の芝居作りに賛同してくれてるってことだからな。この先も任せるよ、って、期待してくれてるってことだもの。そう、信頼!それが大切だ。
怖いものなぁ、座員たちに見放されるって。この台本、詰まらない!とか、そんな演出、ありきたり!ってダメ出しされるって不安はいつだて抱えてる。お客さんも怖いが、その前に役者たちってことだ。
まっ、このウィスキーとラムは、取りあえず今年一年、契約延長するよって言ってもらったってことだ。よしっ、今年も見捨てられない芝居書いて、座員たちみんなが喜べる芝居作りをしていこう。無駄にしちゃいけないよ、18人の時間と努力を!