ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

舞台装置ユニーク大賞受賞?

2020-12-01 10:01:38 | 菜の花座

 舞台装置ユニーク大賞?そんなもんあるわけないだろ。勝手に表彰して、自分たちで喜んでるだけさ。

 でも、もしそんな賞があったら、まずは間違いなく候補作にエントリーされるだろうな。入場した観客も一応に、おっ!っと驚きの声を発してたし、さっそくスマホカメラに収める人も何人かいた。アイディアとしては、宇宙空間に浮かぶ衛星ってのを目指したんだが、仕上がってみると、巨大な水族館、アクアリウムみたいになった。透明ビニールに囲まれた4っつの水槽!中で役者たちが演じる様子は、珍しい水生動物が行き交う姿にも見える。見方を変えれば、見世物小屋の"世にも珍しき"覗き部屋にも。

 こんな無茶な注文を、ともかく作り上げてしまうんだから、菜の花座の装置さんの実力と執念は凄まじい。きっと難しけりゃ難しいほど、挑戦されたって感じて燃え上がるんだろう。2カ月間、一人、玉庭の古い体育館にこもって、作り上げてしまった。

 その場で立ててそのまま使うなら、いかに手が混んでいようと、なんとかなる。これをパーツに分解してトラックで運び、舞台で組み立て直すわけだ。これ、どんだけ大変な作業か?!一般的な装置なら、木材主体にパネルの組み合わせで作るから、立てること自体は難題ってことはない。

 今回のアクアリウム装置は、壁がすべてビニール、しかも客席からの視線を妨げないように柱は最小限でなおかつスチールパイプでできている。骨組みだけで立つわきゃないのさ。どうしたって、上から吊るすしかない。バトンからバインド線(細工しやすい針金)を下ろしそれで支えることにしたのだが、これまた、余計な注文で、上と下のブースは斜めに置かれている。バトンだけじゃ足りず、ボーダーライトやスクリーンも動員してなんとか吊ることができた。

 4か所すべての高さも変えるって希望もずいぶん厄介なものだったろう。舞台が高くなれば、階段も準備しなけりゃならない。それらのスペースをどう取り、どう隠すか。朝からかかって、夕方までたっぷり時間を費やして、どうにかやっとこさ、巨大アクアリウムが完成した。

 それぞれの水槽を照らすLEDライトも幻想的に空間を浮き上がらせ、実に効果的だった。ビニール壁で遮られる役者の声は、足元に置いたバウンダリーマイクで拾った。生声で勝負しないのは邪道だ?コロナ禍芝居としては許容範囲内じゃないか。なんせ、オンライン中継だって許される時なんだから。

 この舞台装置があったればこその『ディスタンス』!なっ、どっかで表彰してくれよ。

コメント
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